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ヨルダン川西岸地区でイスラエル軍の襲撃によりパレスチナ人2名が死亡

2023年4月3日、占領下のヨルダン川西岸地区にある都市ナブルスで、イスラエル兵による襲撃の際に、炎にタイヤを投げ入れ、バリケードを作るパレスチナ人。(AFP)
2023年4月3日、占領下のヨルダン川西岸地区にある都市ナブルスで、イスラエル兵による襲撃の際に、炎にタイヤを投げ入れ、バリケードを作るパレスチナ人。(AFP)
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04 Apr 2023 06:04:28 GMT9
04 Apr 2023 06:04:28 GMT9
  • パレスチナの医療関係者は、軍が数時間にわたる侵入の際にモハメド・アル・ハラク氏とモハメド・アブ・ベーカー氏を殺害したことを確認した
  • これにより、今年に入ってからイスラエル軍に殺害されたパレスチナ人は93名となった

モハメッド・ナジブ

ラマッラー:3日、占領下のヨルダン川西岸地区の都市ナブルスでイスラエル軍の襲撃によりパレスチナ人2名が殺害されたことで、広く非難が巻き起こった。 

パレスチナ各勢力やナブルス知事は、殺害に対して抗議するため、ナブルスでのストライキを宣言した。

占領下の地域で暴力と緊張が高まる中で行われたナブルスへの軍事侵入の際に、イスラエル軍はこのほかに2名を逮捕し、催涙ガスを使用して民間人55人を負傷させた。

パレスチナの医療関係者は、軍が数時間にわたる侵入の際にモハメド・アル・ハラク氏とモハメド・アブ・ベーカー氏を殺害したことを確認した。

これにより、今年に入ってからイスラエル軍に殺害されたパレスチナ人は93名となった。このうち少なくとも3名はラマダン期間中に殺害された。

パレスチナのムハンマド・シュタイエ首相はこの殺害を非難した。

シュタイエ首相は、「占領軍兵士および入植者による殺害と犯罪は止まらない」と語り、これらは占領者が「抱く体系的政策」の一部だと述べた。

パレスチナ大統領府のナビル・アブ・ルデイネ報道官は、イスラエル当局による入植地拡大、殺害、アル・アクサモスクへの侵入の継続は、彼らが緊張を激化させて地域を暴力の連鎖に引きずり込もうとしていることを裏付けていると述べた。

一方、5日にユダヤ教の過越祭を控えて、イスラエルの過激派はアル・アクサモスク内で供物の屠殺を行うと宣言している。

極右のイタマル・ベングビール国家安全保障相は、5日に大人数でアル・アクサモスクに乗り込むよう呼びかけた。

3日に103人の入植者がイスラエル警察の保護のもとでアル・アクサモスクに押しかけ、Bab Al-Rahmaエリア付近の岩のドーム前でタルムードの儀式を行った。

「神殿の丘運動」グループは、過越祭の供物をアル・アクサモスク内で屠殺しようと支持者らを駆り集め続けた。

ルデイネ氏は、入植者によるアル・アクサモスクへの侵入と信徒への攻撃の継続について警告を発した。

同氏は、こういった攻撃は危険な対立激化となると強調し、イスラエル当局はパレスチナの人々へのこういった継続的攻撃について責任を負うことになると述べた。

ルデイネ報道官は国際社会、特に米政権に対し、状況が悪化する前にパレスチナの人々への犯罪行為を止めさせるために介入し、イスラエル政府に圧力をかけるよう求めた。

シュタイエ首相も、継続する入植者のアル・アクサモスクへの侵入、その中庭で生贄の屠殺を行おうという呼びかけ、ラマダン期間中の同モスク内でのイスラム教信徒の逮捕を非難した。

ラマッラーで3日に行われた政府会合の中で首相は、イスラエル当局は脅しや、検問所およびゲートの通行に対する制約によって信徒をアル・アクサモスクから遠ざけていると述べた。

パレスチナ自治政府の宗教問題相ハテム・アル・バクリ氏は、ラマダン期間中のイスラエル占領当局のアル・アクサモスクや信徒に対する措置を危険なものだと評した。

「イスラエル政府は過激派入植者がアル・アクサモスク内で生贄を屠殺できるようにしようと計画している。継続する入植者の侵入やイスラエル警察による信徒への攻撃は、地域を危険な状況に引きずり込むだろう」と、アル・バクリ氏はアラブニュースに語った。

また、イスラエルはイスラム教徒がアル・モスクで礼拝を行うことを阻もうとしていると述べつつ、パレスチナ人は決してこれを受け入れないだろうと語った。

アル・バクリ氏によると、イスラエルの占領者は先月に25回アル・アクサモスクに乗り込んできたという。

アル・アクサモスクのゲート付近に住むエルサレム旧市街のジャーナリスト、カーレド・アル・クルディ氏はアラブニュースに対し、ベングビール氏の支持者が生贄をアル・アクサモスク内で屠殺することをイスラエルの治安組織が認めるとは思わないと述べた。この動きはかつてない対立激化につながり、場合によっては宗教戦争に発展しかねず、そうなれば、外交問題が発生し、イスラエルとヨルダンや他のアラブ諸国との関係はさらに悪化することになるだろう。

ガリラヤにあるTamraの市長スハイル・ディアブ氏はアラブニュースに次のように述べた。「現政府は問題を解決するのではなく、作り出そうとしている。状況を複雑化することで、利益を得て、イスラエルの右翼を強化しようとしている」

パレスチナ人は、極右の国家安全保障相の監督下での国家警備隊結成についても懸念している。国家警備隊は、通常の警察隊ではなく、イスラエルにおけるパレスチナ人のデモに対抗する軍隊となるからだ。 

ディアブ氏はアラブニュースに次のように述べた。「ベングビール氏が作る国家警備隊は、同氏と(財務大臣のベザレル・)スモトリッチ氏、(首相のベンヤミン・)ネタニヤフ氏に仕える犯罪集団だ」

「我々は彼らによる(イスラエル国内の)アラブ社会への干渉を拒絶する」

アラブ系地方自治体は、アラブ人に対する姿勢とアラブ人を敵とする扇動行為を理由に、ガリラヤ、トライアングル、ネゲヴにある彼らの町にベングビール氏とスモトリッチ氏を受け入れないことを決めたと、ディアブ氏は加えて述べた。

パレスチナの壁・入植抵抗委員会(The Palestinian Wall and Settlement Resistance Commission )は、月例報告の中で、イスラエルの占領当局および入植者は3月に436回の攻撃を行ったとしている。

この中には、民間人への直接攻撃、器物損壊、整地、木の伐採、財産収奪などが含まれている。

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