
パレスチナ自治区ガザ市:ガザ地区の国境で週末に発生したイスラエル軍との衝突により負傷したパレスチナ人1名が死亡し、ガザ保健省がそれを発表した25日、新たな抗議デモを呼びかける声が起きた。
数十名が負傷し、イスラエル警察官1名が重体となった21日の抗議デモで、イスラエル軍の発砲を受けた32歳パレスチナ人のオサマ・ハレド・デアイ氏が死亡したと保健省が発表した。
イスラエル軍は、パレスチナの「暴徒たち」が国境フェンスを越えて爆発物を投げ、フェンスをよじ登ろうとしたため、それに対して実弾を発砲するなどして応酬したのだと述べている。
自治区を支配するイスラム組織ハマスによると、負傷者の中には頭部を撃たれて重体となっている13歳の少年もいるという。
イスラエル封鎖下にある自治区のパレスチナ各派は、25日午後5時、ガザ地区南部都市ハーン・ユーニス付近の国境で、新たな抗議デモを行うことを呼びかけている。
イスラエル軍は、21日夜にガザ部隊を強化し、ハマスの複数の標的を空爆したと発表した。
イスラエルは、同国エスホール地区南部に複数の火災を引き起こした風船爆弾への報復として、23日から24日の深夜にもガザ地区を空爆した。
この空爆による死傷者は報告されていない。
今回の抗議デモは、非公式な停戦協定により、ハマスとイスラエルの間の紛争としてはここ数年で最も熾烈となった11日間の紛争が終結してから、3ヵ月後のことであった。
ハマス当局によると、紛争中にはイスラエルによる空爆で戦闘員を含む260人のパレスチナ人が死亡したという。
また、イスラエルの軍と警察は、この紛争でパレスチナ各派がイスラエルに数千発のロケット弾を撃ち込み、兵士1人を含む13人が死亡したと述べている。
2018年にガザ地区の人々は、イスラエルによる封鎖の終結、そしてイスラエルがユダヤ国家を建設した際に逃亡したり追放されたりしたパレスチナ人たちの故郷へ帰還する権利を主張し、抗議デモを開始した。
イスラエルは1年以上の間に約350人のガザ地区パレスチナ人たちを殺害しており、ハマスを後ろ盾として毎週行われる抗議デモ活動は、暴力や怒声を伴うものになることが多かった。
AFP