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リビアの武力衝突で55人が死亡、現在は一時休戦中

2023年8月16日、リビアの首都で2日間にわたる対立グループ間の死者を伴う衝突が起きた後、国民統一政府(GNU)傘下の軍隊が配備された。(AFP)
2023年8月16日、リビアの首都で2日間にわたる対立グループ間の死者を伴う衝突が起きた後、国民統一政府(GNU)傘下の軍隊が配備された。(AFP)
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17 Aug 2023 01:08:14 GMT9
17 Aug 2023 01:08:14 GMT9
  • リビアのテレビ局アルアハラールは、救急医療センターの広報担当であるマレック・メルシット氏の話として、新たな犠牲者数を報じた
  • リビアでは、NATOが支援する反乱がムアンマル・カダフィ氏を打倒して以来、10年以上にわたって内戦と停戦が繰り返されている

トリポリ:リビアのメディアは16日、リビアの首都トリポリでこの1年で最悪の武力衝突が発生し、55人が死亡し、146人が負傷したと報じた。現在は一時休戦状態にある。

戦闘は有力な「444旅団」と「アル・ラダー(特別抑止部隊)」の間で14日の夜に勃発し、15日まで続いた。両組織は、2011年に長年の独裁者ムアンマル・カダフィ氏が失脚して以来、権力をめぐって争っている数多くの民兵組織のうちの2つだ。

リビアのテレビ局アルアハラールは、救急医療センターの広報担当であるマレック・メルシット氏の話として、新たな犠牲者数を報じた。医療関係者はこれまで、首都での2日間の戦闘で27人が死亡し、106人が負傷したと報告していた。

昨年8月には、リビアの2つの対立政権が、民兵組織との同盟関係を変えながら権力を争う中、トリポリで32人が死亡、159人が負傷した。

リビアでは、NATOが支援する反乱がムアンマル・カダフィ氏を打倒して以来、10年以上にわたって内戦と停戦が繰り返されている。

比較的安定した期間が続いていたため、国連は今年中に延期されていた選挙が実施されることに期待を表明していた。今回の戦闘により、国際社会は事態の沈静化を求めている。

内務省関係者によると、今回の衝突は、14日に444旅団の司令官マフムード・ハムザ大佐が対立組織アル・ラダーに拘束されたことが引き金となっている。

15日遅く、アル・ラダー軍の拠点である南東部郊外のスーグ・エル・ジュマーの社会評議会は、首都に拠点を置く国連承認政府のトップであるアブドゥル・ハミド・ドベイバ首相と、ハムザ大佐を「中立組織」に引き渡すことで合意したと発表した。

同評議会はテレビで放送された発表の中で、同司令官が引き渡された後に停戦を行うと述べた。15日遅くには戦闘は沈静化した。

今回衝突した両武装組織はいずれもドベイバ首相の政府の側についている。

救急医療センターによると、首都南部郊外の最前線地域から合計234家族が避難し、負傷者の治療中に戦闘に巻き込まれた数十人の医師や救急隊員も避難した。

15日から16日にかけての夜、ドベイバ首相はイメド・トラベルシ内務大臣とともに、15日に最も激しい戦闘があった南東部郊外のアインザラを訪れた。

ドベイバ首相は、人口密度の高い地区の明かりのない通りを視察しながら、「被害の深刻さを目の当たりにした」と自身が率いる政府の報道機関がFacebook公式ページで述べた。

また、ドベイバ首相は、住民が補償を受けられるよう、被害状況の調査を行うよう指示したという。

内務省は、双方が発表した停戦を監督するため、戦闘地域に治安要員を配置する治安計画を実行に移した。

リビアの首都で唯一の民間空港であるミティガ空港は、アル・ラダー支配下の地域にあり、16日に商用便の運航が再開したと当局者は述べた。航空便は同空港から約180キロメートル(110マイル)東にあるミスラタ空港に振り向けられていた。

両武装組織は5月にも、444旅団のメンバーの逮捕後、トリポリで数時間にわたって衝突していた。

国連リビア支援ミッション(UNSMIL)は、トリポリにおける治安の悪化とそれによる民間人への影響を「懸念を持って注視している」と述べた。

ヒューマン・ライツ・ウォッチのリビア調査員ハナン・サラー氏は、首都の武装集団が責任を問われることなく、住宅地で重火器による争いを続けていることに憤りを表明した。

「このような暴力事件の危険にさらされているリビア国民は、間違いなく、もっと良い扱いを受けるべきだ。結果が伴わない限り、何も変わらない」とサラー氏は述べた。

リビアの専門家ジャレル・ハルチャウイ氏は、今回の戦闘は、国際社会が民兵組織の問題に対処していないことを浮き彫りにしたと述べた。

「どのような展開になろうとも、この3年間は外交官、政治家、安全保障立案者、平和構築の専門家によって無駄にされた。トリポリは以前にも増して民兵が支配する領土となった」とハルチャウイ氏は語った。

リビア国防省傘下の444旅団は、国内で最も規律のある軍隊と評されており、トリポリ南部郊外や他の地域を支配している。

アブデル・ラウフ・カラ司令官率いるアル・ラダーは強力な超保守派民兵組織で、トリポリの警察として機能し、トリポリ中心部と東部、ミティガ空軍基地、民間空港、1つの刑務所を支配している。

リビアは、国連の支援を受けるドベイバ首相の西部政府と、軍事的実力者ハリファ・ハフタル氏の支援を受ける東部政府の間で二分されている。

AFP

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