
ジュネーブ:国連人権理事会は13日、過去10年間の紛争をめぐり、シリアで発生した「大規模な」強制失踪に関わった人々に対して、説明責任を求めた。
英国と多数のヨーロッパ諸国、米国、トルコ、カタールが提出したこの決議案は、シリア危機が20年目に突入し、「深刻な人権侵害の一貫したパターンが特徴的になっている」ことを非難した。
シリアの戦争では、2011年の開始以降、50万人近くが死亡しており、ますます複雑化する紛争の全ての当事者が、戦争犯罪の責任を問われている。
47の理事国のうち26ヶ国が賛成、6ヶ国が反対、15ヶ国が棄権して採択された13日の決議は、行方不明になった何万人もの人たちの運命について、特に懸念を表明した。
決議文は、「シリア・アラブ共和国で継続的に非自発的または強制的失踪が行われていること、また、関連する人権侵害と虐待が行われていることを強く非難」し、「これらは特に、シリアの政権が一貫して行っているものだ」と記している。
また、ダーイシュを含む他の紛争当事者による強制失踪も批判したが、シリア政権が主な加害者だとしている。
決議は、シリアの人権状況に関する国連の独立調査委員会が、「幅広く行われている強制失踪が、過去10年間を通じ、シリア治安部隊によって意図的に大規模に行われてきた 」と指摘した最近のコメントにも触れて警鐘を鳴らした。
調査官らは、このような失踪が「恐怖を広め、反対意見を押さえつけるために、罰として」利用されており、シリア当局に拘束された何万人もの男女、少年少女が「強制的に失踪させられたままとなっている」と指摘した。
安保理に決議案を提出した英国のサイモン・マンリー大使は、このような大量の失踪に政権が関与していることを「単純に許せない」として非難した。
この政権には「失踪した人々に関する情報を提供する官僚的手段や、その家族や愛する人たちの苦しみに終止符を打つ手段がある」と、大使は述べた。
「しかし政権は、そのような手段を用いない選択をしているのだ。これは言葉にならないほど残酷な意図的な行為だ」。
大使は、シリア政府軍が「何十万人もの家族の苦しみを意図的に長引かせている」と非難した決議の問責内容に賛成を表明した。
決議は、「強制失踪に関連して行われた犯罪を含む説明責任の必要性」を強調し、「説明責任は和平交渉と平和構築プロセスにおいて不可欠だ」と強く主張した。
シリア政府が支配している地域では、パンやディーゼルの大幅値上げが実施され、長期に及ぶ経済危機の中で、市民にさらなる痛みをもたらしている。
シリア政府は、10年に及ぶ内戦がきっかけで生じ、一連の西洋諸国による制裁により深刻化した財政難に対処するため、近年、燃料費の値上げを繰り返している。
国営通信社サナによると、シリア政府がガソリン価格の25%値上げを発表したわずか数日後に、ディーゼル燃料の価格が約3倍、パンの価格が2倍になったという。
「これは全て予想されていたことであって、今我々は食料や薬の…価格のさらなる上昇を恐れている」と、ダマスカスに住むワエル・ハムード氏41歳が、仕事へ行くのにタクシーを拾おうと30分以上待ちながら語った。
この値上は、バッシャール・アサド大統領が公共部門の給与を50%増額し、最低賃金を1ヶ月当たり4万7000シリアポンド(公定レートで18ドル)から7万1515ポンド(28ドル)に設定する法令を発布したことに関連するものだ。
AFP