
モハメッド・アブ・ザイド
【カイロ】エジプトは、開発におけるすべての当事者の希望を満たす、公平で法的拘束力のある協定を締結するため、大エチオピア・ルネッサンス・ダム(GERD)交渉完了に向け、熱心に取り組んでいるとモハメッド・アブデル・アティ灌漑大臣は語った。
エチオピアはGERDに経済発展と発電の希望をかけているが、エジプトはダムのナイル川からの自国の取水量を脅かすことになるのではないかと危惧し、スーダンは、ダムの安全性と取水量に関して危機感を持っている。
アブデル・アティ大臣は、16日、訪問中のコンゴ民主共和国(DRC)で、ダムの協定に関して、エジプトの取水の権利の保護と、すべての当事者間でいかに恩恵をもたらすかということを強く訴えた。
交渉成功の可能性を最大化するため、米国、EU、国連がGERD交渉に参加することへのエジプト政府とスーダン政府の要望を強調した。エチオピアの譲歩なき決定で行き詰まってしまっていることを踏まえたものだ。
大エチオピア・ルネッサンス・ダムの貯水と稼働についてのエチオピア政府の一方的な決定をエジプトとスーダンは認めない、と大臣は述べた。
DRCに設置予定の降雨予報センターは、気候変動の影響を研究し、国民をその危険から守るための対策を特定するのに役立つとアブデル・アティ大臣は語った。
エジプトは、降雨洪水予測システム、航空画像解析、水文モデリング、技術レポートについてセンター職員に教育してきたと大臣は語った。
大臣は、当センターの設立は、これら水資源を最大限に活用することを目的とし、水資源の統合管理の分野における専門知識を「ナイル川流域諸国の同胞」に伝えたいというエジプトの熱意によるものだと語った。
エジプトは、ナイル川流域諸国との二国間協力プロジェクトを通じて、あらゆる形での支援を提供してきており、今もなお熱心に取り組んでいる、と大臣は述べた。
エジプトは雨水貯留ダムと地下水涵養所を数基設立して、数多くの地下の井戸に太陽エネルギー技術を駆使し、遠隔地に清潔な飲料水を提供していると、大臣は説明した。
エジプトは、周辺地域を経済的、社会的、環境的に発展させること、雇用機会の創出、漁況の整備を図ること、病気の減少につながる湿地帯の縮小することなどを目的として、農場、漁場、河川マリーナを設立してきたと大臣は述べた。