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トルコ、欧州司法裁判所の決定を非難 イスラム教徒のスカーフ着用禁止は宗教の自由への侵害

頭部と肩を覆う伝統的なスカーフ、ヒジャブの問題はヨーロッパでは長年にわたって争いの種になっており、イスラム教徒融合政策に対する鋭い意見対立を如実に示している。(AFP)
頭部と肩を覆う伝統的なスカーフ、ヒジャブの問題はヨーロッパでは長年にわたって争いの種になっており、イスラム教徒融合政策に対する鋭い意見対立を如実に示している。(AFP)
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18 Jul 2021 11:07:29 GMT9
18 Jul 2021 11:07:29 GMT9
  • 欧州司法裁判所:EU域内の企業は、一定の条件下で従業員のスカーフ(ヒジャブ)着用を禁止することができる
  • ヨーロッパでは長年にわたってヒジャブ問題が争いの種になってきた

アンカラ:トルコは18日、一定の条件下でイスラム教徒のスカーフ着用禁止を容認した欧州司法裁判所の決定を、「宗教の自由へのあからさまな侵害である」として激しく非難した。更に、この動きはヨーロッパに住む女性のイスラム教徒に対する偏見を助長するものであると付け加えた。

ルクセンブルクに本拠を置く欧州司法裁判所(CJEU)は15日、イスラム教徒が職場で髪を覆うスカーフを着用することについて、顧客に対して中立的なイメージを示す必要がある場合、EU域内の企業は一定の条件の下で禁止することができるとの判断を示した。

トルコ外務省は声明で、ヨーロッパでは女性のイスラム教徒がその宗教的信念ゆえに、日々増大する偏見にさらされているが、この時期に出された欧州司法裁判所の決定は、悪化するイスラム敵視の兆候であると述べた。

同省はまた、「ヨーロッパを縛りつけているイスラム敵視、人種差別主義、ヘイトの毒が高まる一方のこの時期、欧州司法裁判所の決定は、宗教の自由を無視し、差別に基盤と法的擁護を持たせるものである」と述べた。

大統領府通信局のファフレッティン・アルトゥン局長は17日、この動きを「人種差別主義に正当性を与えようとする間違った決定である」と非難した。

頭部と肩を覆う伝統的なスカーフ、ヒジャブの問題はヨーロッパでは長年にわたって争いの種になっており、イスラム教徒融合政策に対する鋭い意見対立を如実に示している。

トルコのタイイップ・エルドアン大統領が率いる公正発展党(AKP)は、イスラム教に根ざした政党で、2002年、親欧米の民主的な市場アプローチを取り入れて政権についたが、近年ますます権威主義的傾向を強め、宗教的には不寛容になり、西側同盟国から批判を受けている。トルコ政府が去年、イスタンブールにあるアヤソフィア聖堂をモスクに変更すると発表した際には、米国、ギリシャ、ロシアとキリスト教指導者たちが懸念を表明した。

トルコ政府はこれまで何度も、ヨーロッパ諸国のイスラム教徒差別に対する無策を非難してきたが、全世界イスラム敵視事例の年次報告書と呼ばれるものを将来発行すると述べている。

職場でのヒジャブ禁止は宗教の自由への侵害であるという非難を受けて、欧州司法裁判所は、こういった禁止は、雇用主の中立的なイメージを示す必要性によって正当化されれば可能であると応えた。

トルコ政府とEUの間には多くの問題が存在し、緊張関係にある。例えば、EU加盟国ギリシャとトルコは、東地中海における海事裁判権とエネルギー権をめぐって論争中である。

ロイター通信

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