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ガザ停戦を求める米国のデモ参加者は、人々の心をつかむ必要がある

これらの抗議行動は、一つの強いメッセージを提唱している。米国が影響力を行使し、永続的な停戦を強制することを望んでいるのだ。(AFP)
これらの抗議行動は、一つの強いメッセージを提唱している。米国が影響力を行使し、永続的な停戦を強制することを望んでいるのだ。(AFP)
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11 Jan 2024 01:01:49 GMT9
11 Jan 2024 01:01:49 GMT9

10月7日のハマスの攻撃に対するイスラエルの大規模な暴力的かつ無差別な攻撃によって、約1万人の子供を含む2万2000人以上が死亡し、国際社会の非難が広がっている。

しかし、米国のジョー・バイデン大統領とアントニー・ブリンケン国務長官は、ハマスの暴力行為に対しては激しい憤りをあらわにしたが、イスラエルによるはるかにひどい暴力に対しては、せいぜい形だけの生ぬるい反応を示すにとどまっている。米国は、イスラエル政府に圧力をかけて民間人殺害を阻止するどころか、イスラエルに何十億ドルもの援助を与え、ミサイル、爆弾、弾薬を含む兵器を際限なく供給し、民間人の死傷者数を増加させている。

ガザ紛争に対するバイデン政権の姿勢によって、国内の多数のパレスチナ系住民を含む多くの米国人が、国内の各都市で抗議行動を組織するようになった。これらの抗議行動はすべて、一つの強く道徳的なメッセージを提唱している。米国がイスラエル政府に対して大きな影響力を行使し、これまで拒否してきた永続的な停戦を強制することを望んでいるのだ。

これらの抗議行動には、何万人ものデモ参加者が集まっている。その中には、アラブ人の命を取るに足らないものとし、イスラエル人とユダヤ人の命を神聖なものとして扱う米国の対応のダブルスタンダードに憤慨している多くの非アラブ人も含まれている。

実際には彼らは人々の怒りを煽っている。ガザでの殺戮に対する怒りではなく、抗議行動が引き起こした混乱に対する怒りだ。

レイ・ハナニア

殺戮の一方的な性質に感情をかきたてられ、憤りを覚えた非アラブ系米国人たちは、米国内の多くの都市や大学キャンパスで抗議行動に参加したり、抗議を支持したりしている。その結果、パレスチナとの連帯の気運は、米国史上、最も高まっている。

抗議行動は記録を塗り替え、11月にワシントンで行われたデモには約30万人が参加した。メディアは、イスラエルの攻撃による日々の殺戮を報道しなかったのと同様に、抗議行動を公平に報道していない。

抗議行動は、シカゴ、ヒューストン、ニューヨーク、オーランド、ロサンゼルス、サンフランシスコ、ボストン、アトランタ、ミネアポリス、シアトル、ポートランド、フィラデルフィア、その他数十の都市で繰り返し実施されている。シカゴだけでも12の大規模なデモが行われた。

しかし、問題は、パレスチナ支持のデモが何を達成しようとしているのかということだ。そして、それはポジティブな結果をもたらしているのか。それとも、偏向報道や大多数の米国議員の反アラブ的な言辞によってすでに悪化している反アラブ感情を悪化させているだけなのだろうか。

抗議行動の最優先事項は、市民の道徳的怒りを、民間人に対する暴力の程度を反映したレベルにまで高めることである。一方で、ニュースメディアの偏向報道、親イスラエル政治家、バイデン政権のダブルスタンダードに対抗するために、より広い国民の共感と支持を勝ち取ることも目的の一つとなっている。

米国人は常に、自分たちは公民権の擁護者であり、自国は世界で支持されている自由を保障する憲法を持つ国であると主張している。ところが、これまでのところ、抗議者たちは、米国民の心をつかむことにあまり関心がないようだ。それどころか、彼らは大規模な抗議行動という筋肉を使うことにほとんどの力を注いできた。

人々の邪魔にならない方法で抗議し、なおかつ米国民に強いメッセージを送ることは可能だ

レイ・ハナニア

米国民を味方につけるどころか、実際には彼らは人々の怒りを煽っている。ガザでの殺戮に対する怒りではなく、抗議行動が引き起こした混乱に対する怒りだ。多くの場合、抗議者たちは意図的に主要高速道路を封鎖し、大きな不便を引き起こしている。シカゴでは、デモ隊はすべての主要道路を封鎖し、警察がデモを解散させようとする中、人々は何時間も車の中に座って待つことを余儀なくされた。ニューヨークでは、デモ隊が意図的に市内の橋を封鎖し、出勤・退勤しようとする人々の移動に長時間の遅延を引き起こした。

人々の邪魔にならない方法で抗議し、なおかつ米国民に強いメッセージを送ることは可能だ。しかし、米国人の日常生活を混乱させ、人々を苛立たせるのは、お粗末な戦略だ。もし人々がその混乱に対して怒りを抱けば、人々は怒りに気を取られ、ガザでの暴力に対する関心もさらに薄れてしまうだろう。

抗議行動で示されるメッセージの中には、反米的、反ユダヤ的なものもある。これでは、米国の政治を強力なヘッドロックで縛っているイスラエルの思うつぼになる。

抗議行動は再編成され、米国民の日常生活に支障をきたさない形で行われる必要がある。

米国人の共感を得るためにできることはたくさんある。デモ参加者全員が地元の新聞をボイコットしたらどうなるか想像してみてほしい。また、バイデン氏、ブリンケン氏、そして地元の議員たちに手紙を送ることで、大きな影響を与えることもできる。米国人を批判する怒りのスローガンが書かれたプラカードの代わりに、イスラエルによる殺戮の写真を公開し、主流のニュースメディアでは見ることのできないものを米国人に見てもらうのもいいだろう。

記者会見を開き、イスラエル政府がいかに人権や公民権を侵害し、民間人を殺害しているかを慎重かつ効果的に詳述する。殺害されたパレスチナの民間人、特にパレスチナ系米国人の名前と詳細を示し、人物の顔が見えるストーリーとして伝えること。

人々に迷惑をかけてはならない。ガザでの暴力に怒りを覚えつつも、米国民の権利にも関心があり、彼らの支援を望んでいることを示すこと。

そう、米国人は、メディアや政治家によって矮小化されている殺戮を見る必要がある。しかし、自分たちの生活が、自分たちを苛立たせるような遅滞によって妨げられているとき、そうすることはできない。それは友人を得る方法ではなく、敵を増やす方程式だ。

  • レイ・ハナニア氏は、受賞歴のある元シカゴ市役所の政治記者で、コラムニスト。お問い合わせは彼の個人的なウェブサイトHanania.comまで。X:@RayHanania
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