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イスラエル軍がイスラム教徒を攻撃し、ユダヤ過激派がアル・アクサの秩序を破壊

2021年7月18日、旧市街のアル・アクサモスクでイスラエル警察とパレスチニア市民の間に短時間の衝突が起きた後、イスラエル治安部隊の兵士と言い争うパレスチニア人女性(ロイター)
2021年7月18日、旧市街のアル・アクサモスクでイスラエル警察とパレスチニア市民の間に短時間の衝突が起きた後、イスラエル治安部隊の兵士と言い争うパレスチニア人女性(ロイター)
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19 Jul 2021 02:07:17 GMT9
19 Jul 2021 02:07:17 GMT9
  • エルサレムのイスラム・ワクフによると、攻撃は火曜日のイード・アル=アドハーに先立つイスラム教の聖なる週間に行われた。ワクフは「今日はアラファ巡礼とイード・アル=アドハーに先行する聖なる日だ」と述べた。

ダウド・クッタブ

アンマン:日曜の朝、イスラエル兵が武力をもってアル・アクサモスクから礼拝者と抗議集団を排除し、ハラム・シャリーフの聖域に1,000人以上のユダヤ過激派を乱入させた。イスラエル軍の兵士は、過激派がその場で礼拝を行なうのを阻止しなかった。これは聖域内でのユダヤ教の礼拝を禁ずる長年にわたる合意に違反する行為である。

兵士たちはイスラム寺院内に閃光弾と催涙ガスを撃ち込み、礼拝者を負傷させたうえ、イスラム教第3の聖地を損壊した。

ヨルダン外務省は公式の抗議文書を送り、「違法行為と挑発を止め、歴史的・法的に守られてきた現状、聖なるモスクと礼拝の自由、およびヨルダンが管理するエルサレム基金団体(ワクフ)とアル・アクサモスク管理事業を尊重するように」と呼びかけた。

エルサレムのイスラム・ワクフによると、攻撃は火曜日のイード・アル=アドハーに先立つイスラム教の聖なる週間に行われた。ワクフは「今日はアラファ巡礼とイード・アル=アドハーに先行する聖なる日だ」と述べた。

ユダヤ暦では、日曜日はティシュアー・ベ=アーブの日で、2,000年以上前のユダヤ教寺院破壊の記念日となっている。

ハラム・シャリーフの地の最初のユダヤ教の寺院は紀元前586年に破壊され、二番目のものは西暦70年に破壊されたとされている。

ヨルダン外務省のスポークスマン、ダイファラー・アルファイズ氏はこう述べた。「イスラエルのモスクに対する行動は、歴史的・法的な秩序の維持、国際法、さらには東エルサレム支配者としての義務に反するものである」

イスラエルのナフタリ・ベネット首相は、聖域に上りたいユダヤ人は、規律を守るなら上ることが許されるべきだと述べた。イスラエルとエルサレムのイスラム・ワクフの間で公式の対話は行われていない。

ヨルダンのアブドッラー国王は、2014年にイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ前首相がアメリカのジョン・ケリー前国務長官を前に行った「アル・アクサでの礼拝はイスラム教徒にのみ許され、他の者は訪問することができる」という約束に言及した。

日曜日にユダヤ過激派が堂々と礼拝した様がイスラエルのメディアで報道されたが、それはこの約束に反しており、1967年のイスラエルによる占領以降の現状を破壊するものだ。

ヨルダンを支配するハシェミット王家はエルサレムの聖域の管理者であり、イスラエルも国際社会もこれを認めている。

アブドッラー国王は月曜日にアメリカのジョー・バイデン大統領と会うことになっており、エルサレム問題は確実に議題に上るだろう。

一方、アラブ系イスラエル人とパレスチニア人も、アル・アクサのイスラム礼拝者を守るために結束した。クネセトの議員であり、ジョイントリストの長であるアイマン・オデー氏は、聖域への攻撃を非難し、「変化をもたらす政権」を標ぼうするベネット新政権に苦言を呈した。

「旗を掲げてから1カ月たっても、『変化をもたらす政権』はアル・アクサ、ダマスカス門、シェイク・ジャラー地域での暴力と弾圧を続けている。銃撃や警棒や閃光弾は明白な真実を強く示している。この国全土が占領下にあり、我々はそこから解放される権利がある。」と氏は述べた。

クネセトの議員アーメド・ティビ氏は強い口調でイスラエル政府を責め、ツイートした。「『変化をもたらす政府』は、すべてにおいて右翼過激派に譲歩しており、エルサレム占領地についても同様だ。「アラブ人に死を」、「寺院再建」といった示威行為は歴史的な合意に反するものだ。今後何が起きても、その責任は彼らにある」

パレスチニアのマフムード・アッバース大統領は、対立拡大の責任は全面的にイスラエル政府にあると考えている。

アッバース氏は声明の中で「イスラエル軍と植民者によるアル・アクサモスク聖域への攻撃は、我が民の悲しみを呼び起こし、中東地域の安定と安全への大きな脅威だ」と述べた。

ファタハの副事務総長サブリ・シデム氏は、世界が沈黙してきたことが侵略者を勇気づけていると指摘する。「アル・アクサで起きていることは、世界の沈黙がどれだけアル・アクサモスクへの攻撃を後押ししているかの証左だ」と氏は述べた。

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