
チュニジアのカイス・サイード大統領が「政府を追放した」と発言した直後、何万人もの人々が街の通りに押し寄せ、評論家らがクーデターと断じた行動に対して拍手を送った。
歓声を上げ、車のクラクションを鳴らし、花火を打ち上げながら、サイード大統領の支持者たちは、彼の決断と、議会の最大政党であり彼の主な政敵である穏健派イスラム主義のアンナハダの失墜を喜んだ。
これは、民主主義を導入した2011年のチュニジア革命から10年経った今でも、民衆の活動が潜在的に強力な力を持っていることを示している。また、アンナハダが人々にサイード氏への抗議を呼びかけたことで、対立につながる可能性もある。
サイード氏が議会を閉鎖したと宣言した後、月曜日の早朝に国会議長のラチェッド・ガンヌーシ氏が国会議事堂に入るのをチュニジア軍が阻止したと目撃者が語っている。
日曜日の深夜、群衆はコロナによる外出禁止令を無視して、この北アフリカの国の地方や都市で集まり、首都チュニスの目抜き通りであるハビブ・ブルギバ通りにも集まった。この通りは首都での抗議活動では長年拠点として使われている。
多くの家族を含む数千人の人々が並木道を歩き、国旗を掲げ、踊り、赤い照明弾に火をつけた。
「大統領はとても勇敢だった…私たちはこれがクーデターでないことを知っている」と、チュニスの町の中心部に住む女性、アミラ・アビドさんはチュニジアの国旗にキスをしながら語った。
Crowds cheering, honking, youyous – reactions to the Tunisian president’s decision to freeze Parliament and fire & take over from the prime minister pic.twitter.com/cmdGwB97MV
— Layli Foroudi (@laylimay) July 25, 2021
その直後、サイード氏自身も、革命のあった2011年に最大の抗議デモが行われた通りに到着し、歓喜に沸く支持者たちと合流した。その革命がもたらした民主主義の遺産は、今、天秤にかけられている。
政府の解任と議会の閉鎖は、民主主義からの脱却と過去の独裁的な支配への回帰の一環であると、サイード氏に批判的な評論家は懸念している。
彼の行動を支持する群衆の上をヘリコプターが飛ぶ中、街頭の人々は、過去10年間にチュニジアが政治的麻痺を克服して繁栄を手に入れることができなかった原因は、アンナハダにあると指摘した。
「今日、今日、アンナハダは今日で終わった」と、首都のオムラン・スーペリア地区で若者たちが歌っていた。
近くでは、家族が子供たちと一緒に立ち、携帯電話を掲げてその瞬間を記録していた。娘と一緒に歩いていた男性は「今日は私たちのイード(祝日)だ」と語った。
ロイター