
バグダッド:イラクの強力な親イラングループのいくつかは27日、米国がイラクでの戦闘活動を今年中に終了すると発表したことを歓迎した。これは彼らが長年望んできた結末だ。
ジョー・バイデン米大統領は26日、イラクのムスタファ・アル・カディミ首相とホワイトハウスで会談した際、「我々は今年末には戦闘任務に就いていないだろう」と断言した。
米軍はイラク軍への訓練と支援(情報提供での協力を含む)は継続し、親イラン派閥が望む完全撤退はしないだろう。
しかし、イラクの親イラン民兵集団の連合組織「人民動員隊」の政治部門である「征服連合」は、バイデン氏の発表を「イラクの完全統治への前向きな一歩」と見なしていると発表した。
「我々はそれが現場で実現することを望んでいる」と征服連合は付け加えた。
米軍がイラクに招かれたのは2014年――サダム・フセイン氏を打倒するための侵攻から始まった8年間の占領が終わった3年後だ。招いたのは、ダーイシュ・グループによる大規模な前進を止めようと必死になっていた政府だった。
イラク政府は2017年末にダーイシュの敗北を宣言したが、ダーイシュはスリーパーセルを保持し、今でも定期的に自爆テロを行っている。
米国とイランはともにイラクの主要同盟国であり、ダーイシュに対する敵意を共有しているが、イランは米国を最大の敵と見なしており、米軍の隣国イラクからの撤退を長年要求してきた。
親イラン武装勢力は今年に入ってからイラクの米国関連施設にロケット弾攻撃や無人機攻撃を約50回行ったとして非難されている。
昨年から、残っている米軍(バイデン氏の前任者であるドナルド・トランプ氏の下で削減され、現在は合計2500人)の主要な役割は既に、ダーイシュと戦うイラク軍の訓練・助言・支援になっている。よって、バイデン氏の発表は政策の大転換を意味するものではほとんどなかった。
今回の直接会談は、就任して1年余りで、米軍の駐留が続くことで受ける圧力が強くなっているアル・カディミ氏を政治的に援護するためのものだ、とアナリストは話した。
イラクの他のいくつかの親イラングループも肯定的な反応を示した。
「イマーム・アリ旅団」は「外国の軍隊の駐留が終わった」と称賛し、「約束を守ってくれた(イラク)政府に感謝する」と発表した。シーア派の有力聖職者であるムクタダ・サドル師もバイデン氏の発表を歓迎した。
しかし、より過激な親イラングループからの反応はまだない。
一方、イランの国営テレビは27日、当局がイスラエルの諜報機関「モサド」と関係があるグループのメンバーを逮捕したと報じた。イラン南西部では水不足に対する抗議活動が続いている。
報道によると、「大量の武器と弾薬を持つスパイ組織」が、イランの西側の国境を越えてイランに潜入した後に逮捕されたという。モサドのスパイとされる人物は武器をイランでの暴動や暗殺に使用するつもりだったという。
国営テレビは、逮捕されたスパイとされる人物の数や、イランに潜入したとされる時期については詳述・言及しなかった。イランの西側はトルコ、イラクと隣接している。
イランのフーゼスタン州に影響を及ぼしている水不足に対する抗議活動が数日間行われ、少なくとも5人が殺害された。イランの国営メディアが伝えた。
イランは時折、米国やイスラエルを含む外国のスパイとされる人たちを拘束したことを発表する。
イラン西部では時折、クルド人分離主義者や、ダーイシュと関係がある民兵とイラン軍との間で戦闘が起こる。
2020年7月には、イランのコルデスターン州で「テロリスト」が2人を殺害した、とイランが発表した。イランは昨年、著名なイラン革命防衛隊のガセム・ソレイマニ司令官の情報を米国とイスラエルに漏らして有罪判決を受けた男性を処刑した。ソレイマニ氏はその後イラクで米国の無人機攻撃で死亡した。
AFP/AP