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「イスラエル人入植者によるパレスチナ人への暴力の高まりに対し、世界は行動すべき」

イスラエル人入植者らによって放火されたとされる黒焦げの車のそばを通り過ぎるパレスチナ人の少女。2023年1月、ナブルスの南にあるジャルド村。(AFP)
イスラエル人入植者らによって放火されたとされる黒焦げの車のそばを通り過ぎるパレスチナ人の少女。2023年1月、ナブルスの南にあるジャルド村。(AFP)
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15 Jun 2023 09:06:50 GMT9
15 Jun 2023 09:06:50 GMT9
  • ワシントンで開催された中東フォーラムで、米国は無為を非難された
  • イスラエル政府はこのアパルトヘイト政策を認めていると人権専門家らは指摘する

アリ・ユネス

ワシントン:イスラエル人入植者が占領下のヨルダン川西岸地区でパレスチナ人に振るっている暴力の継続と蔓延に対し、国際社会は行動しなければならない。

この呼びかけは、ワシントンD.C.の中東研究所の主催で14日に行われたパネルディスカッションにおいて数人の専門家が行ったものだ。彼らはまた、イスラエル政府がこの暴力を認めていることを非難し、米国は加害者を取り締まるべく行動していないと主張した。

パネリストの一人、ヨルダン川西岸地区のラマッラーを拠点とするパレスチナの人権団体「アル・ハーク・オーガニゼーション」で法務調査・アドボカシー担当オフィサーを務めるアフメド・アボフール氏は次のように述べた。「イスラエル人入植者による暴力は国家によって認められた暴力であり、より広い文脈ではイスラエル人入植者による植民地支配・アパルトヘイト体制(の)本質的な部分である」

同氏が主張するところでは、イスラエルは「植民地入植事業」としてのプロジェクトを続けるために、パレスチナの人々を4つの異なる集団に戦略的に分断することでイスラエルによる長期的支配・管理を確保しようとしてきた。

そのパレスチナ人の4つの集団とは、平等な権利を持たない国民としてイスラエル領内で暮らす人々、占領下のエルサレムの住民、ヨルダン川西岸地区およびガザ地区の住民、そしてパレスチナに帰還する権利を奪われた在外難民だという。

イスラエルは1967年の戦争の際に他のアラブ領土に加えてエルサレム、ヨルダン川西岸地区、ガザ地区を占領した。

今年2月26日以降、ナブルスの南にあるハワラ、ブリン、アシラ・アル・キブリヤなどのパレスチナ人の村において300件以上の襲撃が報告されている。

国際機関や人権団体によると、占領下のヨルダン川西岸地区と東エルサレムには約75万人の違法なイスラエル人入植者が住んでいる。

この問題に関して、パネリストの一人、イスラエル最大の人権団体「ベツェレム」で国際アドボカシーオフィサーを務めるサリット・ミカエリ氏は、ヨルダン川西岸地区においてイスラエル人入植者が日常的に続けてきたパレスチナ人に対する攻撃に「飛躍的変化」が起きたと指摘した。

同氏は、これらの犯罪を行っているイスラエル人入植者の中にはイデオロギーに駆動されたユダヤ人至上主義的・人種差別的要素が存在していると主張した。これらの攻撃は現在の右派政権が生み出したものではなく、イスラエルの歴代政権が行ってきた長期的な入植事業なのだという。

同氏は、入植者は「免責を享受」しており、パレスチナ人に対して行った犯罪の代償を払わされることはめったにないと指摘した。

また、米国や国際社会がこの問題にしっかりと対応していないだけでなく見て見ぬふりをしていることによって、イスラエル政府がパレスチナ人の土地における違法な入植地の建設を支援し続けることが助長されていると非難した。

「責任の欠如が政策となっているため、暴力が拡大している」

ジューイッシュ・カレンツ紙の上席記者であるアレックス・ケイン氏は、イスラエルの現状は、テロ政党カハの指導者が米国生まれのメイル・カハネ氏(同組織で唯一のクネセト議員であった)だった1990年代からは大きく変わったと指摘した。

カハは米国のユダヤ防衛同盟の支部で、どちらの組織も米国務省によって国外テロ組織に指定されていたという。米国は最近、カハ運動はもはやその名前を冠した単一組織としては存在しないという理由でそのテロ組織指定を解除した。

ケイン氏は、カハが組織としてはもう存在しないことは事実だが、その支持者はイスラエルの政治システム全体に広がっており、最近になってベンヤミン・ネタニヤフ首相率いる現在の右派政権の中で大きな政治的権力を獲得したと主張した。

「カハネ運動の単一の住所は存在しないが、その触手はイスラエルの中で広範囲に広がっている」

このような過激主義組織の指導者などが、米国の同盟国であるイスラエルの政治システムの中で現在有力な政治家になっているとケイン氏は言う。イスラエルの極右・過激主義的政治家で閣僚のイタマル・ベングビール氏およびベツァレル・スモトリッチ氏は、カハネ氏の反アラブ的・テロリスト的イデオロギーの信奉者なのだという。

テロ組織に指定されたユダヤ人組織を支持しているこれらの過激主義者に対し、米政権はベングビール氏やスモトリッチ氏との面会を拒否する以外に「どうすればいいのか分からない」のだとケイン氏には指摘した。

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