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石油市場は需給の均衡を取り戻し始めたが、難局は続いている

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24 Jun 2020 02:06:58 GMT9
コーネリア・メイヤー
24 Jun 2020 02:06:58 GMT9

ブレント原油の価格は4月中旬以来、2倍に上昇しているが、1月の高値と比較すれば依然として半値にしかなっていない。石油が持ち直したのはここ7週間のうちの6週間だ。ウェスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)は金曜の午後に1バレル42ドルの指標を突破した。月曜の午前の欧州取引で、ブレントが1バレル42.34ドル、WTIが39.75ドルに留まった。

これはよいことではあるが、先走ってはいけない。ブルームバーグと国際エネルギー機関(IEA)によれば、世界の原油と石油製品の備蓄は約30億バレルである。ブルームバーグのジュリアン・リーの見積もりによれば、この石油の全備蓄量をディーゼル燃料に変換すれば、米国のすべての大型貨物トラックが世界を5周できるのだ。

最近、石油価格が「逆鞘」(現在の1バレルが将来の1バレルよりも高いことを意味する)になったことは本当である。一般的には強気市場の兆候であるが、この先の状況は全く確実ではない。多くは産油国にかかっているが、 消費は全く見通しが効かない。

OPEC+や石油輸出国機構(OPEC)の13ヶ国、また、ロシアが率いるOPEC非加盟国の10ヶ国の同盟国が、5月までに日量970万バレル(970bpd)を市場から回収し、2021年4月末までの右下がりの減産計画で、7月まで削減を延長した。

IEAは、OPEC+の削減や、北米やその他の地域の経済的な自粛を考慮し、国際的な石油の供給は5月には1180万bpd落ち込んだと報告した。

責任逃れをする最大の国、イラク 、カザフスタン、ナイジェリアがいるため、OPEC+にとっての5月中の問題は減産遵守だった。木曜日の共同閣僚監視委員会(OPEC+内の減産遵守を監督する任務を担う組織)を前にして、石油市場が落ち込むことになったのはこれが原因だった。同委員会はサウジ・エネルギー相アブドゥル・アジズ・ビン・サルマン王子とロシアのアレクサンダー・ノヴァク氏が議長を務めている。その後、イラクは、第3四半期の削減未達成分の埋め合わせの目処が立ち、カザフスタン、ナイジェリア、アンゴラについては、埋め合わせの計画に着手するため、6月22日までの猶予期間を設けられた。

OPEC+の断固たる行動が役立ち、市場は需給の均衡を再び取り戻すまでの長い道のりに着いた。OPECの5月の平均生産量は2,419万bpdに留まった。1974年以来の原油生産高の最大の減少を示すものである。

他の場所での事態の進展も顕著である。北米のシェールの産出地も石油価格の低さによって苦しんでいる。比較的に生産コストが高いためだ。シェール会社は従来、自己資本比率が低く、現在の石油価格にあって、債務返済が困難であると感じている。さらに悪いことには、シェールの生産は資本と流動性の活用に依存している。油田の減衰率が加速しているため、新たな油田の継続的な掘削が必要となる。この部門は、第1四半期の380億ドルに続いて第2四半期に3,000億ドル相当もの資産の損失処理を余儀なくされるかもしれない。倒産は必至だろう。誰もが火の車である市場においては、財務上の問題を抱えるシェール生産者の通常の買い手として残される企業は極めて稀である。

供給者側も同様である。需要は予想よりも状況が良好なようだ。IEAは2020年の年間需要が810万bpd下降し、2021年には570万bpd回復すると予想している—— それでも2019年の水準と比較すれば、240万bpd分が不足のままだ。これは同機関が、中国とインドの需要回復が予想を上回ったことで二度目に更新した2020年の数ヶ月にもわたる需要予測である。OPECは石油市場の月次報告でさらに悲観的な見方を示している。断固として910万bpdの需要の減少を予想したのだ。

現実には需要はワイルドカードであり、年末までの見通しを得ることは難しい---- 2021年については言うまでもない。

需要の全体像がV時回復を示し、全体的に予想よりも良好であると見ることができる一方で、さらに掘り下げてみると、必ずしもそうは見えないかもしれない。ロックダウンが解除されるや否や、人々が自家用車を利用したため、ガソリンの回復は早かった。しかし、ディーゼル燃料の回復はかなり緩慢だった。これは経済活動の優れたベンチマークである。ディーゼル燃料は製造業と輸送業を加速させるからである。ケロシンを考慮に入れると、自体はさらに悪いようである。IEAによれば、ジェット燃料の需要の2020年における契約見込みは300万bpdであり、2021年の回復はわずか100万bpdだ。

これらの数字が示しているのは、過剰供給を市場から取り除くという意味においてOPEC+がきちんと役割を果たしている一方で、最終的に市場の均衡化において主要な役割を果たすことになるのは需要だということである。どのような回復であっても、その状態や進展のしかたによって、パンデミックに対する政府の対応が異なるため、需要がどのような動きを見せるかを予想するのは難しい。ロックダウン規制を最近緩和した米国などの国々における最新の展開が、コロナウイルスの第二派が来る可能性を示唆している。

2020年後半に需要が供給を上回ることで、石油市場は厳しくなるだろうと予想する分析家もいる。大量の過剰在庫があるため、これで我々が心配になるはずはない。米国の貨物トラックに関するジュリアン・リーの計算は、まさに文字通り、多くの走行距離が制度に封じ込められていることを示している。

  • コーネリア・メイヤーは、事業コンサルタント、マクロ経済学者、エネルギー専門家である。Twitter: @MeyerResources
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