
テヘラン:イランは、これまでで最も深刻な新型コロナウイルス感染症の増加と闘っており、8日日曜に、全国1日当たりの新規感染者数と死者数が発生以来最大となった。
保健当局は、新たな感染者3万9600人以上と死者542人を記録した。死者数は、昨年11月に記録した最多数を上回り、現在の流行がこの先さらに勢いを増す可能性を示している。この新たな最多記録により、延べ感染者数は410万人以上、総死者数は9万4000人以上に増加し、中東で最多となった。
感染力の強いデルタ株による今回の新たな感染拡大で、病院は対応し切れない数の患者であふれて返っている。重症患者もかつてないほど増え、8日には新たな重症者6462人が報告された。
あらゆる国家問題の最終決定権をもつ最高指導者アヤトラ・アリ・ホメイニ師は先週、国家の全面封鎖措置の可能性を議論するよう当局に命じた。政府は、米国による長年の制裁で疲弊している経済に打撃を与えることを恐れ、全面封鎖にはこれまで乗り気でなかった。
イランのワクチン接種は失速しており、問題の解決に寄与していない。オックスフォード大学の「Our World in Data」プロジェクトが政府情報をもとに編纂したデータによると、ワクチンの2回目接種までを完了したのは全人口約8000万人のうちわずか3.3%であるという。
AP