
テヘラン:イラン保守強硬派のイブラヒム・ライシ大統領は日曜日、米国の制裁対象に指定されている強力な国有財団の会長を最初の副大統領に指名したと、大統領の公式ウェブサイトで発表した。
モハマド・モクバー氏は、地元メディアでは以前から副大統領候補のトップだと噂されていた。モクバー氏は、イラン・イスラム共和国の創始者であるルホラ・ホメイニ師にちなんで「セタード(ホメイニ師の命令の実行)」と呼ばれる財団を長年にわたって率いてきた。
モクバー氏は、イラン南西部のフーゼスタン州で一連の公職を経た後、2007年にイラン最高指導者のアリ・ハメネイ師によってセタードの会長に任命された。
セタードはもともと、1979年のイスラム革命で没収された土地・財産を管理するために1980年代後半に設立された。
その後、同社は健康産業を含むさまざまな産業に出資する大規模な複合巨大企業となり、同社が運営するバラカット財団は、イラン初となる国産の新型コロナウイルスのワクチン開発を実施した。
この新型コロナウイルスワクチンは、6月に中東で最も被害の大きかったイランの保健当局から緊急承認を受けた。
セタードとモクバー氏は、1月に米国財務省のブラックリストに掲載された。米政府はこれまで、セタードが 「イラン経済のほぼすべてのセクターに出資している」と発言していた。
過去最高の投票棄権を記録した6月18日の大統領選挙に勝利したライシ氏は、穏健派のハッサン・ロウハニ大統領の後任となる。
木曜日、ライシ大統領は議会で宣誓し、2週間以内に閣僚のリストを提出しなければならない。
元司法長官であるライシ大統領は、これまでの人権侵害を理由に欧米諸国から批判されており、2019年から米国の制裁対象に指定されている。
ライシ氏はまた、司法長官在任中、司法省の報道官を務めていたゴーラムホセイン・イスマイリ氏を大統領首席補佐官に任命した。
元検察官であるイスマイリ氏は、欧州連合から制裁対象に指定されている。
イスマイリ氏は、2011年に「深刻な人権侵害」を理由に、イランの刑務所機構の責任者として初めてブラックリストに登録された。
2020年に行われた議会選挙では、改革派や穏健派の候補者数千人が失格となり、保守派が勝利した。これを受けライシ大統領は、保守派の手中に権力を固めようとしている。
また、超保守派の議員で2021年の大統領選挙の候補者の1人であったアリレザ・ザカニ氏がテヘラン市長に選出されたと、国営通信社『IRNA』が報じた。
ザカニ氏は保守派が支配する市議会の過半数の票を獲得したが、ザカニ氏が議員を辞任する前に市長に就任することはできないとされている。
ザカニ氏が後を継ぐ前任のピルーズ・ハナチ市長は、都市開発に精通した経験豊富な公務員であり、改革派に近い立場にある。
ザカニ氏は2004年から2016年まで国会議員を務めており、昨年も議席を獲得している。
核医学の医師でもある55歳のザカニ氏は、6月の大統領選でライシ氏を支持して落選した。
AFP