• プロとレジャーとを問わず、サウジアラビアでのスポーツへの女性の包摂は、近年、大幅に向上を遂げた

サーレハ・ファリード

ジェッダ：サウジアラビアでは、スポーツへの女性の包摂を目標とする近時の改革が成果を上げている。史上初めて、サウジアラビアの若い女性たちはサッカー、テコンドー、ボクシング、自動車レース、テニス、フェンシング、ゴルフなどに参加するようになった。

2015年以降、複数のスポーツ連盟が設立されたことによりサウジアラビアの女性たちが国際的に活躍するようになり、小さいながらも大きな一歩が踏み出された。女性の全国代表チームも設立され、サウジアラビア指導者らの支援のもと、サウジアラビアの女性は自由にスポーツを行えるようになった。その結果、サウジアラビア全土の女性たちがスポーツに挑み、国を代表して地域や国際的な競技会に参加している。

サウジ・ビジョン2030のクオリティ・オブ・ライフ・プログラムの支援により、地域の大会に参加するアスリートの人数は2015年から59％増加している。また、国際大会に出場する女性の人数は166％、指導者の人数は117％、女性アスリートの数は150％それぞれ増加している。

同じ期間において、公式なサウジアラビア全国代表女子チーム数は、0チームから23チームまで増えた。地域および国際イベントでサウジアラビアの女性スポーツ選手が獲得したメダル数は約100個に及ぶ。

一方、現在、12人のサウジアラビア人女性が国際的に著名なスポーツの地位を占めており、サウジアラビアには38のスポーツ連盟が存在しているなど、スポーツ界は全体的に進歩している。

この進歩はチーム競技に限ったものではない。各分野において数人の開拓者がいる。

アラブニュースでは、才能や情熱を発揮しようとする若い女性たちの道を切り拓いているサウジアラビアの先駆的な女性アスリートをまとめたので、以下にご紹介したい。

28歳のラシャ・アル・カミス氏は、サウジアラビア初の女性ボクサーとして認定された人物だ。アル・カミス氏は南カリフォルニア大学在学中にこのスポーツに夢中になった。帰国後、サウジアラビア・ボクシング連盟の会長と会う機会を得て、女性のスポーツ参加者を増やす方法を提案した。彼女はサウジアラビア・ボクシング連盟の会員になり、その後はご存知の通りである。

マシャエル・アル・オバイダン氏は、サウジアラビアで自動車レースのライセンスを取得した最初の女性である。若い頃に砂漠でダートバイクや四輪バギーに乗ったことによりモータースポーツに目覚め、今では権威あるダカール・ラリーに参加している。

35歳のアヌード・アル・アスマリ氏は、サウジアラビア初の女性サッカー審判員であり、サウジアラビア女性として初めて国際サッカー連盟から国際審判員バッジを授与された。

ルブナ・アル・オマイル氏は、オリンピックのフェンシング選手となった初のサウジアラビア人女性である。アル・オマイル氏は、国内で初めて女性フェンシング選手の育成に取り組むクラブである、ダーラン・フェンシング・クラブを共同設立した。

ダルマ・マルハス氏は、サウジアラビアの障害飛越選手である。2010年にシンガポールで開催された馬術競技の個人戦に出場し、あらゆるスポーツの中でサウジアラビア人女性として初めてユースオリンピックに出場した選手となった。

マルハス氏は、母親のアルワ・ムタバガニ氏、およびコーチのドゥッチョ・バルタルッチ氏に励まされ、2011年にはモハンマド・ビン・ラーシド・アール・マクトゥーム・クリエイティブ・スポーツ賞を受賞している。

ファラ・ジェフリ氏は18歳のサッカー選手であり、ジェッダ・イーグルスのミッドフィルダーとして活躍している。ジェフリ氏は、サウジアラビアの女性アスリートとして初めてアディダスと契約した。

サウジアラビア初の女性プロテニスプレーヤーであるヤラ・アルホグバニ氏は、女子テニス協会のランキングを昇り、サウジアラビア代表選手として国際的活躍を続けたいと望んでいる。アルホグバニ氏はすでにさまざまな大会に出場し、プロのツアー大会レベルでプレーしており、サウジアラビア人女性として初めて国際ランキングを獲得した。

ラガド・アル・ナイミ氏はサウジアラビア初の女性プロボクサーであり、米国留学中にこのスポーツに出会った。ボクシングへの情熱により、サウジアラビアへの帰国後もトレーニングを続けた。サウジアラビア・ボクシング連盟に登録された男女のボクサーは、2015年以降300％増加している。2月にディルイーヤで行われたデビュー戦では、アル・ナイミ氏がポイントで勝利を収めた。

ダニア・アキール氏は情熱的なモータースポーツ選手であり、サウジアラビアの女性として初めて自動二輪サーキットレースのライセンスを取得した。怪我をした後、ラリードライバーに転身し、サウジアラビア人女性として初めて国際ラリー競技に参加した。

リーナ・アル・ハキーム氏は、サウジアラビア柔術チームの新星である。17歳の彼女は既に、柔術国際連盟アジア選手権大会、アブダビ世界プロ柔術選手権大会、柔術国際連盟世界選手権大会など、地域的にも世界的にも最も権威ある大会においてメダルを獲得している。