Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter
  • Home
  • 日本
  • G7外交官、ウクライナ・中国・北朝鮮危機に取り組む

G7外交官、ウクライナ・中国・北朝鮮危機に取り組む

2022年10月3日、ドイツのミュンスターで開催されたG7外相会議で、集合写真のためポーズをとる各国の外相たち。左からEUのジョゼップ・ボレル氏、英国のジェームズ・クレバリー氏、日本の林芳正氏、米国のアントニー・ブリンケン氏、ドイツのアナレーナ・ベアボック氏、カナダのメラニー・ジョリー氏、フランスのカトリーヌ・コロンナ氏、そしてイタリアのアントニオ・タジャーニ氏。(AP)
2022年10月3日、ドイツのミュンスターで開催されたG7外相会議で、集合写真のためポーズをとる各国の外相たち。左からEUのジョゼップ・ボレル氏、英国のジェームズ・クレバリー氏、日本の林芳正氏、米国のアントニー・ブリンケン氏、ドイツのアナレーナ・ベアボック氏、カナダのメラニー・ジョリー氏、フランスのカトリーヌ・コロンナ氏、そしてイタリアのアントニオ・タジャーニ氏。(AP)
Short Url:
15 Apr 2023 12:04:05 GMT9
15 Apr 2023 12:04:05 GMT9

ウクライナを核攻撃すると脅すロシア。中国はライバルである台湾の各所に好戦的な軍事行動をとる。北朝鮮による前代未聞のミサイル発射実験。

世界で最も強力な民主主義国家のトップ外交官たちが、4月16日日曜日に軽井沢の温泉街に集まり、いわゆる「先進7カ国」の外相会議を開催する予定である。

安全保障理事会でロシアや中国が強硬になるなど、国連が弱体化する中で、G7のようなグローバルな会議の重要性が増しているという見方もある。しかし、主に西側の民主主義国家の外交官が、自分たちの利益を追求するために暴力や暴力による脅しを用いることをますます厭わなくなった権威主義国家に影響を与える、あるいは阻止する方策を見出せるかどうかについても、かなりの疑問がある。

世界の紛争地域に加え、日本、米国、英国、フランス、ドイツ、カナダ、イタリア、EUの外相が、人権や民主主義の改善方法、また、安定した政府がある裕福な国に焦点が当てられ、過小評価されていると感じているかもしれないより貧しい国にとっての重要な問題について話し合うことが期待される。

しかし、ロシア・中国・北朝鮮に対する懸念と、これらの問題やその他の外交政策の頭痛の種が相互に関連していることを認識することが、議論の中心を占めることになるだろう。

慶應義塾大学の国際政治学教授である細谷雄一氏によると、今年のG7は、ロシアのウクライナ戦争を終結させ、中国による台湾侵略を阻止することが急務であり、G7の歴史の中で最も重要な会議であるといいます。
火曜日に行われる会談で、外交官たちが直面する課題を以下に解説しよう。

ウクライナでの戦争
戦争で初めて核爆弾が使用された広島で来月開催される主要国首脳会議(サミット)で締めくくられる今年のG7では、核問題への広範な集中が常に重要視されることとなった。

ウクライナでの失敗で自暴自棄になったロシアのウラジーミル・プーチン大統領が、戦争に勝つために戦術核兵器を使用する可能性が懸念される中、この問題はより緊急性を増している。

中国は、ウクライナにおけるロシアの動きに影響を与える可能性のある数少ない国の一つと考えられており、世界2大独裁国家である中国とロシアの外交政策の連携が今回の軽井沢の会合での大きな焦点となるだろう。

中国の習近平国家主席は、権威主義的な衝動をますます募らせているように見えるが、最近モスクワを訪問し、二国間関係の強化を約束した。東京の国際基督教大学のアジア専門家、スティーブン・ナギ氏によると、このことは「中国がプーチンに圧力をかけて(紛争を)縮小させるという期待に影を落としている」、という。

今月、北京を訪問したフランスのエマニュエル・マクロン大統領は、習近平氏に「ロシアを正気に戻せ」と訴えたが、冷ややかな反応しか得られず、政治的解決を求める声がさらに高まった。

神田外語大学の講師であるジェフリー・ホール氏は、「日本はG7を機に、既に行っているウクライナ支援のさらなる強化を発表するかもしれない」と語った。

また「日本の指導者は、ウクライナに関連する安全保障上の問題での協力は、太平洋における安全保障上の協力強化につながる可能性があると見ています」とホール氏は語った。

中国の台頭
中国は、自治権を持つ台湾を威嚇するため、ますます大胆な試みを行っている。最近、中国政府は飛行機と船を派遣し、中国が領土と主張する台湾を包囲する軍事演習を行った。核弾頭の急増を含む中国の広範な軍拡、南シナ海での主張の強硬化、習近平による差し迫る対立のシナリオを描く最近の発言は、G7各国の恐怖心を駆り立てる。

中国と北朝鮮は、日本の軍備拡張を特に懸念しており、両国は日本の軍備拡張を「自国に有利なように地域の安全保障構造を書き換える両首脳の取り組みを弱めようとしている」と見ている、とナギ氏は語った。

岸田文雄首相のもと、日本政府は第二次世界大戦後の自衛権のみの原則から大きく脱却し、北朝鮮、中国、ロシアの増大する脅威に対抗するため、先制攻撃能力や巡航ミサイルによる攻撃能力の獲得を目指している。

G7が中国の台頭を抑える方策さを検討する一方で、中国政府はパキスタンからアルゼンチンまで、貿易と投資に熱心な国々との関係を強化している。これは、中国のグローバルな足跡を大幅に拡大し、投資をグッドガバナンスや人権の尊重に結びつけようとする北米や欧州の試みに挑むものである。

岸田首相が来月の首脳会談へのインドのナレンドラ・モディ首相の招待を決めたことは、「日本が中国のライバルの1つと安全保障協力を強化することを望んでいることを示すものです。日本が『自由で開かれたインド太平洋』を求めるのは、中国やロシアの国際的な行動様式に対抗するために各国が立ち向かうことを求めているのです」とホール氏は語った。

北朝鮮による脅威
韓国・梨花女子大学の朴元坤(パク・ウォンゴン)教授によると、今年のG7は、敵対する北朝鮮に軍縮交渉への復帰を迫る外交を活性化させる上で、特に常任理事国間で分裂し機能不全に陥っている国連安全保障理事会にとって極めて重要な会議である。

昨年以来、北朝鮮は米国本土に到達する可能性を示した大陸間弾道ミサイルや、韓国や日本を脅かす様々な短距離弾道ミサイルを含む約100発のミサイルの発射実験を実施した。

金正恩委員長は、ロシアのウクライナ侵攻という世界的な混乱に乗じて、一族の王朝支配を強力に保証する核兵器を拡充しようと考えているのかもしれない。

中国とロシアは昨年、北朝鮮による大規模なミサイル発射実験を巡り、米国が主導する国連安全保障理事会による制裁強化の動きを阻止した。

北朝鮮が2017年以来の核実験を行ったとしても、国連安全保障理事会が制裁を強化するとは考えられない。しかし、米国とその同盟国、そしてG7に集まった「志を同じくする」欧州のパートナーが課す一方的な制裁のネットワークによって意義ある懲罰的な対応が生み出されるかもしれず、この対応はウクライナでの侵略を巡って米国がロシアに圧力をかけるのと同様の戦術だ、と朴氏は語った。

朴氏は、「国連安全保障理事会の役割と機能がロシアと中国によって破綻しつつあり、国連安全保障理事会に代わる新しいものを見つける必要があることは明白であるため、G7の重要性は大きく高まった」と語った。

AP

特に人気
オススメ

return to top