
エルサレム: 水曜日、エルサレム裁判所が下した「パレスチナ人居住区の数十件の家屋解体を6ヶ月間凍結する」という判決について、弁護士は「進歩」ではあるが「勝利」ではないと語った。
東エルサレムの旧市街に隣接するパレスチナ人居住区、シロワムにある約100軒の住宅が、公有地に違法に建てられたものであるとして、イスラエルは取り壊しを命じていた。
月曜日に出された裁判所の命令によると、取り壊し命令の大多数を2022年2月まで凍結する一方で、16軒の住宅を直ちに取り壊すことを認めた。
エルサレム地方裁判所のシーガル・アルボ判事は判決文の中で、「特定の猶予を認める余地があるという結論に達した」と記している。
シロワムのアル・ブスタン地区の住民の代理人であるジアド・カワール弁護士はAFP通信に対し、判決は「進歩」だが「勝利ではない」と語った。同氏は、家の取り壊しについてイスラエルに圧力をかけるよう、他国の外交官に訴えると述べた。
カワール氏によればクライアントは、「無許可ではあったが自身の私有地に建てた自宅」の遡及許可を申請中だという。
カワール氏は「許可を得ることは不可能だ」と話す。パレスチナ側の話では、エルサレムは建築許可申請をほぼすべて却下しているという。
イスラエルは1967年の第三次中東戦争でヨルダンから東エルサレムを奪い、その後国際的に認められないまま東エルサレムを併合した。
パレスチナは、東エルサレムを将来的に首都とする意向である。
シロワムは、約3,000年前にダビデ王が都を置いたとされる場所であり、ユダヤ教の歴史において神聖な場所である。
イスラエルは、アル・ブスタンに聖書に登場するダビデ王をテーマにした公園を建設する意向を示している。
イスラエルからの入植者は、東西エルサレムは両方ともユダヤ人の永遠の首都であると同時に、何世紀にもわたって繰り返し追い出され、逃れてきた場所であると考えている。
現在シロワムには、約5万人のパレスチナ人に混じって、数百人の入植者が厳重な警備の下で暮らしている。
今回の判決は、イスラエル最高裁が東エルサレムのシェイク・ジャラー地区の4家族の立ち退きに関する判決を延期した後に下されたものだった。
家族への判決が下されると緊張が高まり、5月にはイスラエルとガザ地区の過激派ハマスの間で、多数の死者を出す武力衝突へと発展するまでとなった。
AFP