


アラブニュース
テヘラン/ジェッダ:COVID-19(新型コロナウイルス感染症)パンデミックの第5波による死者が急増する中、イランは月曜日から6日間の全国的なロックダウンを実施する。
イランの新型コロナウイルス対策タスクフォースは、すべての都市の市場、官公庁、銀行、映画館、ジム、レストラン、必要不可欠ではない事業所を次の土曜日まで閉鎖し、日曜日から金曜日まですべての都市間の移動を禁止するよう命じた。
イランにおけるCOVID-19の感染状況は中東で最悪となっており、最近では強い感染力を持つ新型コロナのデルタ株による感染が広がっている。土曜日には、1日で466人の死亡と2万9700人の新規感染者が新たに報告された。これにより、パンデミックによる累計の死者数は9万7208人、感染者数は438万9085人となった。
先週、イランでは、1日に4万2541人の新規感染者と588人の死亡が確認され、1日の死者数と新規感染者数の両方で過去最多となった。保健当局は、公式発表の数字は実際の感染者数や死者数より少ないことを認めている。
ワクチン接種の開始が遅すぎたという批判が行われ、イランの疲弊した医療体制が増加する感染者への対応に苦慮する中、当局は接種活動を加速させようとしている。イランの人口8300万人のうち、必要な2回のワクチン接種を完了したのは380万人に過ぎない。
土曜日、テヘランのイラン・モールに設置されたワクチン接種センターには数千人が列をなした。同センターを代表する保健省のバハレ・カリミ氏は、医療従事者は「現在、非常に疲弊している」と話した。
カリミ氏によると、同センターでは、中国製のシノファーム・ワクチンを接種しているが、日によってワクチンの種類が異なる可能性があるという。イランでは、シノファームの他に、ロシアのスプートニクV、インドのバーラト・バイオテック、アストラゼネカ/オックスフォードのワクチンも使用している。
当局は、イラン国内で開発された2つのワクチンの緊急使用を承認した。しかし、唯一大量生産されている「バリキャット」は供給不足となっている。
薬局で働くハメド・ラハマティ氏は、ワクチン接種の列に並びながら不満を漏らし、「ワクチンを輸入すべき時に輸入しなかった。今はもう手遅れだ」と述べた。
イブラヒム・ライシ大統領は、「好ましくないコロナウイルスの感染状況を食い止める」ために、イランは6000万回分のワクチンを追加で必要としていると述べた。ライシ大統領は、土曜日に開催された新型コロナウイルス対策タスクフォースの会合で、3000万回分のワクチンを「近いうちに」輸入して接種できるようにすると発言したが、どこから輸入するのかは説明しなかった。
米国の制裁により海外への送金が困難になっているため、イランはワクチンの輸入に苦労していることを明らかにしている。
1月、最高指導者アヤトラ・アリ・ハメネイ師は米国と英国が開発したワクチンの使用を禁止した。米国と英国ではワクチン接種活動によってCOVID-19の感染者数が劇的に減少しているにもかかわらず、ハメネイ師はこれらのワクチンを「全く信用できない」と評していた。
AFP