

ダウド・クタブ
アンマン:ヘブロンにあるイブラヒミ・モスクの近くで建設工事を行うイスラエルの計画に対する抗議活動は、イスラエル軍に守られた建設業者がモスクの近くに電動エレベーターを設置するためにモスクでの作業を始めたことを受けて激化している。
イスラエルの国会「クネセト」のパレスチナ人議員らは土曜日、連帯感を示すためにヘブロンを訪問し、ユネスコが保護する遺産の保存に向けたパレスチナ人の取り組みを支援することを約束した。
イスラエルと米国が国連の文化機関ユネスコの判断を変更するために協調した外交活動を行ったにもかかわらず、ユネスコはヘブロン旧市街を「危機に瀕している」と宣言した。ヘブロン旧市街はイスラエル占領下のヨルダン川西岸地区にあり、激しい対立の中心地となっている。
クネセトのサミ・アブ・シェハデ議員がアラブニュースに語ったところによると、アラブ系統一会派「ジョイントリスト」の代表団は、ヘブロンの市長やワクフ(イスラム教宗教協議会)の職員、商工会議所などのもてなしを受けたという。
「モスクの近くでイスラエルが行おうとしている変更は、違法で人種差別的だ」とアブ・シェハデ氏は語った。
アブ・シェハデ氏は加えて、イスラエル人は、この変更は障害者を助けるためだと主張していると述べた。
「しかし、この善意の行為と呼ばれるものでさえ、ユダヤ人入植者だけに立ち入りが許された地域に作られているため、障害を持つパレスチナ人は利用できない」
アブ・シェハデ氏らは、パレスチナ人の一般参拝者が自らのモスクにたどり着くまでに直面する困難を自分自身で体験した。
「軍に邪魔されないクネセトの議員でさえ、多くの検問所を通過するのに苦労した。一般のパレスチナ人にとってはどのようなものか想像してほしい」とアブ・シェハデ氏は話した。
軍に邪魔されないクネセトの議員でさえ多くの検問所を通過するのに苦労した。一般のパレスチナ人にとってはどのようなものか想像してほしい。
サミ・アブ・シェハデ
アブ・シェハデ氏は、1キロメートル四方の現地で見たものは、「イスラエルによる人種差別的入植地事業の最も醜い現場だ」と付け加えた。
ジョイントリストの代表団はヘブロンのシュハダ通りで停止させられた。シュハダ通りは1994年から閉鎖されており、旧市街の中心部にある1800のパレスチナ人の商店に12億ドルもの損失をもたらしている。
しかし、アブ・シェハデ氏は明るい話題として、連帯感を示すためにアル・ファハムやヤッファから来たイスラエル在住パレスチナ人市民と代表団が会えたことは「うれしい驚き」だったと述べた。
ピース・ナウで開発・対外関係担当責任者を務めるダナ・ミルズ氏はアラブニュースに対し、モスクの問題は「アクセシビリティ(障害者による利用のしやすさ)の問題ではなく」、「主権のパフォーマンス」だと語った。
ミルズ氏は、イスラエルは「アクセシビリティを口実として」イスラム教とユダヤ教の両方で最も神聖な場所の1つに、エレベーターと橋を建設していると指摘した。
ミルズ氏は、アクセシビリティの改善は「ワクフの同意と十分な調整に基づいて行われるべきだった」と付け加えた。
「このプロジェクトはまだ中止できる。我々はイスラエル政府に対し、この作業をただちに中止するよう要求する」
パレスチナ人は金曜日、ヘブロン地域のすべてのモスクを一方的に閉鎖し、平和的抗議活動として参拝者にイブラヒミ・モスクへの訪問を促した。
しかし、聖地に足を運んだ多くのパレスチナ人は、イスラエル側からの暴力に遭ったと主張している。
イスラム聖戦のタレク・サルミ報道官は、イスラエルの行動は「イブラヒミ・モスクを支配すること」を目的としていると述べている。
「入植地事業の新しい計画は、入植者がモスクの屋根まで行けるように、独立した通路と電動エレベーターを作ることだ」
これらの行為は、「ヘブロン市のアラブ・イスラム遺産の一部を構成する歴史的なイスラム教の遺跡を変化させること」を目的としているとサルミ氏は指摘した。
サルミ氏は、7月に中国の福州市で開催された第44回世界遺産委員会会議で、「世界危機遺産に登録されているヘブロン旧市街の地位に変更はない」という決定が行われたと述べた。
ユネスコは、「国際法に違反しており、遺跡の真正性と完全性に有害な影響を与えるとして、イスラエルによる進行中の発掘」を非難した。
ユネスコはまた、「電動エレベーターの建設を含む新たな計画に関する報告に留意している」と述べた。