
テヘラン:水曜、強硬派が支配するイラン国会が、新たに大統領として選出されたイブラヒム・ライシ氏の提案した閣僚の大部分を承認する投票を行ったことを国営テレビが報じた。
5日間に及ぶ公聴会と議論を経て、ライシ氏の提案する19人の閣僚のうち18人が国会議員の投票で承認された。
教育相候補だったホセイン・バゴリ氏は公聴会で経験が疑問視され、承認されなかった。バゴリ氏は出席していた286人の議員のうち76票を獲得した。議会の定数は290人である。
政府が仕事を開始できるよう、ライシ氏は自身が提案した候補者を迅速に投票で承認するよう議員らに要請した。イラン政府はパンデミックや米国からの長年にわたる制裁に苦しむ国内の経済状況に取り組んでいる。
ライシ氏は自身の外交政策について、全ての国々と交流して制裁を解除することに力を入れると語った。新外相のホセイン・アミラブドラヒアン氏は国会議員の270票を獲得した。同氏は自身の職務について「交渉の席から逃げない」と語り、イランに対して課されている制裁を全て解除するために全力を尽くすと述べた。
アミラブドラヒアン氏(56)は何十年もの間、幅広く政権を支えてきた。同氏は強硬派ポピュリストのアフマディネジャド元大統領の下でアラブ・アフリカ情勢の副外相を務めた。アフマディネジャド元大統領は西欧ではホロコースト否定論や、2009年の再選の真偽が問われていたことで知られている。
2013年、比較的穏健派のハッサン・ローハニ氏が大統領に就任した際、アミラブドラヒアン氏は仕事を継続した後、辞任して元国会議長の国際情勢顧問になった。ローハニ氏は世界列強国と核合意を締結。核計画の削減と引き換えにイランへの制裁を軽減する約束を取り付けた。
日曜の議会公聴会でアミラブドラヒアン氏は、交渉はイラン国民の権利を保証するものでなければならないと語った。また、近隣諸国との友好関係、特にイランの地域的ライバルであるサウジアラビアとの友好関係を「地域全体の利益のため」に歓迎した。
モハンマド・ジャヴァード・ザリーフ元外相はアミラブドラヒアン氏の承認に祝辞を述べた。ザリーフ氏はツイッターに「アミラブドラヒアン氏と外務省、職員の皆様、そして新政府へ、国際関係における全ての成功を祈ります」と書き込んだ。
198票を獲得して新石油相となったジャバド・オウジ氏(54)は技術系出身の官僚としての経歴を持ち、イランにとって重要な石油およびガス部門の公職を長期間務めてきた人物である。原油の輸出はイランの主要な対外収入源である。
議会公聴会でオウジ氏は、「制裁を避ける積極的な態度」を取り入れ、「原油の輸出」に民間部門を活用することを約束した。
閣僚の名簿には女性は含まれておらず、驚くような要素も少なく、イランの準軍事組織である革命防衛隊の職員が複数含まれていた。イラン最高指導者もいつもと同じように、たとえば外相のような最も慎重に扱うべき地位の人選に重点を置いた。
核合意の関係者が合意の再建に向けてウィーンで何ヶ月も協議している。前回の協議は6月に終了し、再開の日付は未定となっている。ライシ氏は自身の政権は、既に不安定化しているイラン経済に打撃を与えている制裁の解除に力を入れると約束した。
一方、アハマド・バヒディ大将は水曜、266票で内相として承認された。
バヒディ氏は2010年に米国のブラックリストに入れられた前国防軍需大臣である。また1994年のブエノスアイレスのユダヤ人文化センターへの爆撃に関与していた疑いで国際刑事警察機構(インターポール)に指名手配された。この爆撃で85名が死亡し、数百名が負傷している。
バヒディ氏は1980年代後半にイランの遠征コッズ部隊の司令官も務め、中東におけるイランの代理戦争の責任者である。
ライシ氏はその日のうちに、投票について議員に謝辞を述べた。
AP