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タリバン「自由で主権のある」国家を宣言し、世界の他の国々との「良好な関係」作りを誓う

31日、カブールで米軍撤退後、ハミド・カルザイ国際空港内に到着するタリバンの特殊部隊の戦闘員たち。(AP通信)
31日、カブールで米軍撤退後、ハミド・カルザイ国際空港内に到着するタリバンの特殊部隊の戦闘員たち。(AP通信)
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01 Sep 2021 05:09:19 GMT9
01 Sep 2021 05:09:19 GMT9
  • タリバンがカブール空港を掌握し、アフガン国民は新しい支配者の下での生活に疑問を投げかけている

シェルシャ・ネワビ

カブール:タリバンは31日、カブール空港から最後の米軍が退去したことを受けて、アフガニスタンを「自由で主権のある」国家と宣言し、世界の他の国々と「良好な関係」を維持すると誓った。

同組織は、30日に米国が20年にわたる占領を終えた後、首都の空港を掌握し、2001年の追放を経たタリバンの復権を確固たるものにした。

タリバンのザビフラ・ムジャヒド報道官が米国政府の撤退を「歴史的瞬間」と称賛し、戦争で荒廃した国に安全をもたらすと誓ったことで、ハミド・カルザイ国際空港周辺では祝福の銃声が響き渡った。

同報道官は31日、カブール空港で記者団に対し、次のように語った:「アフガニスタン・イスラム首長国が自由で主権のある国家であることに、我々は何ら疑いを持っていない。アメリカは敗北した」。

また同報道官は、同組織が「我々の自由、独立、イスラムの価値観を守る」ことをアフガン国民に約束した。

タリバンは2週間前、カブールを電撃制圧し、アシュラフ・ガーニ大統領が国外逃亡する中、政府を無血包囲して倒した。

これ以降、米国のジョー・バイデン大統領が設定した8月31日の米軍撤退期限を前に、外交官、外国人援助活動家、民間人などが何とか国外へ退去しようと、数千人が米国管理下の空港の外でキャンプを張った。

タリバンが米国主導の侵攻により追放される前の1996年から2001年までの前回の統治時のように、厳しい抑圧的な統治スタイルを復活させるとの懸念の中、空港施設の中や周辺では多数の人々が飛行機に乗ろうとし、死者の伴う混乱が生じた。

米国とその同盟国による混乱の退避活動により、30日までに12万3000人以上がカブールを離れた。報道によると、同日、米軍は70機以上の航空機、数十台の装甲車を破壊し、防空システムを無効化したという。

この2週間、空港に殺到した群衆を管理するために治安当局者らが駐機場で発砲したことにより複数人が死亡し、一方の26日には、ダーイシュ・ホラサンが犯行声明を出した自爆攻撃で180人近くが死亡した。

タリバンは、政権を取り戻して以降、「全てを包摂する政府」を樹立し、女性の権利を尊重し、タリバンと戦った人々を許し、アフガニスタンがテロリストの温床にならないようにすることを誓っている。

しかし、このような保証は市民の不安をほとんど解消しておらず、多くの人々は、米国政府が国を後にした一方で、アフガニスタンが多くの新たな課題に直面していると感じている。

カブールに住む35歳の店員、モハマド・イブラヒム氏はアラブニュースに対し、次のように語った:「今日は特別なことは何もない。銀行は機能していないし、お金はないし、アフガン市民のニーズに応えてくれる政府もない」。

同氏は、経済の「危機的状態」と、それが自身の生活に与える影響への懸念について指摘した。

「以前は1日あたり少なくとも5000個の商品を売っていましたが、今は500個しか売れません」。

また、過去20年間の「悲劇的で恐ろしい瞬間」を思い出し、これから先の「暗黒の日々」を心配する人もいた。

ブラウン大学の戦争費用プロジェクトによると、このアメリカ史上最長の紛争では、約2500人の米兵と推定24万人のアフガニスタン人が命を落としたという。

その中には、5万人近くのアフガニスタン民間人、400人以上の援助活動家、72人のジャーナリストが含まれており、20年間にわたり、数十億ドルの外国の援助で生き延びてきた3800万人の同国のマイノリティの人々が置かれている状態に、不安が高まっている。

カブールのタイマニ地区の24歳の住民、アリ・レザ・フセイニ氏は、アラブニュースに対し、次のように語った:「国民にとっては何も変わっておらず、我々は今でも恐怖を感じている。マイノリティの権利はタリバンからは与えられないと思う」。

状況はアフガニスタンのジャーナリストにとっても「デリケートかつ問題が多く」、過去には72人が殺害されており、「数十人が密入国業者の助けを借りてでも、あらゆる手段を使って逃亡しようとしている」という。

メディア権利活動家のムムタズ・ハイダリ氏55歳は、アラブニュースに次のように語った:「誰もここには残らないだろう。入口が閉ざされていて希望がないことはわかっているので、陸路で逃げて近隣諸国で移民になる選択肢を我々は探している」。

30日、タリバンはアラブニュースに対し、有効な書類を持つアフガン国民に国外への渡航を許可することを「約束する」としながらも、「国内に留まり、国の発展のために働く」よう促した。

しかし、専門家らは、今後数日間がアフガニスタン新政権にとっての真のリトマス試験になるだろうと語った。
カブールに拠点を置く政治アナリストのアブドゥル・ワヒード・ファルザイ氏34歳は、アラブニュースに対し、次のように語った:「今日は、アフガニスタンに外国部隊がいなくなった最初の日だ。我々は、タリバンがアフガン国民に対する約束を果たすことを期待している」。

同氏はまた、米国のアフガニスタン撤退が「現実」である一方で、タリバンは「国内の全ての政治関係者が参加する形で」新政府を樹立する必要があると付け加えた。

カブール在住の国際関係の専門家であるカイス・ザヒール氏は、アラブニュースに対し、米国政府の撤退によりアフガンは「大規模な政治的・軍事的混乱」に陥ったと述べた。

同氏は次のように語った:「我々には政府がなく、存在するのは、政治的・経済的な格差だ。今後数日以内に、政府が誕生することを我々は期待している。しかし、まだタリバンの政策には疑問がある」。

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