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河川の流れが弱まり、地域協力を渇望するイラク

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07 Sep 2021 06:09:23 GMT9
07 Sep 2021 06:09:23 GMT9
  • かつては渦を巻いて流れていたサーワン川がわずかな滴りになってしまった理由はイランの国境沿いにあると、環境活動家はいう

イラク、ハラブジャ:「いま私たちが立っているところには、川があるはずです」というナビル・ムサは、イラク北部で干上がった川床を身振りで示す。

環境活動家の目から見ると、かつては渦を巻いて流れていたサーワン川がわずかな滴りになってしまった理由はイランの国境沿いにあり、イランは川の水「全てを支配している」と彼はいう。

今年の雨不足のため、イラクは深刻な水不足となっており、サーワン川のような河川を復活させようとしている当局は、上流の隣国イランとトルコから流れる水の減少が、漏水、配管の老朽化、水源の違法な流用といった国内の問題を悪化させているという。

イランとトルコは自国の水不足を解消するため巨大ダムを建設しているが、この問題での地域協力は断片的だ。
イランの国境をまたぐダリヤン・ダムがサーワン川の水の一部を抜き取り長さ48kmのトンネルを通してイランの土地に戻していると、イラク官僚は語った。ロイター通信が取材したイランの官僚は、この嫌疑に対しコメントを辞退した。イランによればこのダムはまだ建設中ということだった。

イラクの地域住民はここ2年でイランからの水量が減った影響を感じているといい、特に頻度を増している干ばつの年には水量減少が下流地域に過酷な影響を与えたと訴える。

「私が漁業を諦めざるを得なくなって2年になります」と近隣のイマミ・ザメン村の漁師アハメド・マハムド氏はロイター記者に語った。川が干上がったので、70家族いた村民の多くはすでに離村した。小学校は廃校になった。
「こんなことが続けば、私たちもここを出なければならなくなるでしょう」と彼はいう。

サーワン川はイランに源を発しイラク国境に沿って流れ、イラクの自治区クルディスタン地域に入ると南へ流れティグリス川に合流する。かつては豊富な水量があったが、今ではかつての水位を示す測定柱が点在するだけだ。

干ばつに打ちひしがれた地域を7月に熱波が襲うと、イラクのティグリス川の約18%の源流となっているイランとの間で、水量低下による「損害」を分担する方法についての協定がなければ、下流のディヤーラ県の状況はさらに悪化するだろうと、イラクは述べている。

ロイター

 

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