
ニューヨーク: イスラエルのナフタリ・ベネット首相は月曜日、イランは核開発において「全てのレッドライン」を超えたと述べ、イスラエルはイラン政府が核兵器を所持することを決して認めないことを誓った。
国連総会における就任後初の演説でベネット氏は、イランが「核の傘」の下で中東地域を支配しようとしている、と演説し、より強力な国際社会の協調をもってイランの核開発を中止させることを求めた。
また同氏は、過去にも幾度となく脅してきたように、場合によってイスラエルはイランに対して単独で行動を取る可能性があることも暗示した。
「イランの核開発は重要な分岐点に差し掛かっており、それに対する我々の許容もまた同様である」とベネット氏は語り、「言葉では遠心分離機の回転は止まらない」と付け加えた。
ベンヤミン・ネタニヤフ氏の12年間におよぶ首相在任を6月に終わらせた極右派政治家のベネット氏は、地域におけるイスラエルの最大の敵であるイラン対策をジョー・バイデン米大統領がより強硬にとることを求めている。米国新政権はドナルド・トランプ前大統領が離脱を決定した2015年のイランとの核合意を復活させることを視野に入れているが、ベネット氏はこれに反対している。
ウィーンにおける米・イラン間の間接交渉は、米政府が強硬派のイラン新大統領イブラヒム・ライシ氏の出方を伺う中で、暗礁に乗り上げている。
国連においてベネット氏は挑戦的なネタニヤフ氏と比べるとより穏健なトーンを用いて演説した。ネタニヤフ氏は小道具や視覚教材を使ってイランに対する告発を強調していたが、それらの手法は政治的な売名行為と批判を受けることもあった。
だが国家の存在に関わる脅威であるとイスラエルが捉らえるイランの核兵器開発をあらゆる手段を講じて阻止することについて、ベネット氏はネタニヤフ氏と同様に断固として主張している。イラン政府は核兵器開発を目指していることを一貫して否定している。
「イランの核兵器開発プログラムは臨界点にある。全てのレッドラインは超えられており、査察は無視されている」とベネット氏は述べ、「彼らは処罰を逃れようとしている」と付け加えた。
ロイター