
ナジャ・フーサリ
ベイルート: レバノン内務省は2022年3月27日に国会議員選挙の開催を予定している。これは現在の国会の任期満了の約6週間前である。
しかし、選挙の最終日程は未確定となっている。このことは、多くのレバノン国民が政府に対して感じている不安の種を増やすことになっている。もしくは、過去2年間、政府が存在しなかったことに対する不安とも言える。
3月に選挙を開催すれば、法的に定められている期限が短縮されることとなる。一方、選挙を4月に延期すればラマダンと重なる可能性がある。
「政治階級は現在の状況で選挙を開催することから逃げようとしているのです」選挙に詳しいワリド・ファカール・エル・ディン氏はそう語る。
「証拠はこうです。法的な期限を迎えているのに、必要な日程がまだ設定されていません。法律を改正している時間はありません。つまり実際問題として、選挙は延期されることになるということです」
同氏によると、2016年にも同じような時間切れの筋書きが展開され、国会議員の任期が延長されたと言う。
「政治階級の舞台裏で噂されていることがあります。来年の10月に予定されている大統領選挙後まで、国会議員選挙が延期される可能性があると言うのです」
選挙準備の監視団も、与党の政治階級は国外居住者を投票に参加させるつもりはないと考えている。
内務省はコンピューターの設置を開始し、選挙監督局の本部を用意した。しかし、国外居住者の投票の条文に関連する選挙法の条文改正はまだ求められていない。なお、その票には6議席が割り当てられている。
一方、レバノン外務省は既に国外有権者の登録を開始しており、国外居住者がレバノンでの投票を希望するのか、国外での投票を希望するのかを確認するため、国外居住者に向けた促進キャンペーンをメディアで放送している。
国会議員選挙の公式予定日を定めることで、候補者は準備をする機会が得られる。特に無所属の候補者にとってはそうである。
国会議員選挙は白熱することになると思われる。腐敗が非難されているシステムの中で、レバノン国民は政治的な激変を求めているからだ。選挙は誠実さと信用度を確保するため、国際団体の立ち会いの下で実施される。
国際団体は、内務省にあらゆる技術的サポートを提供する用意があることを表明している。国会議員選挙もレバノンの経済・財政破綻の犠牲になってしまうのではないかという懸念がある。
4年前に行われた前回の国会議員選挙で使用されたコンピューターとサーバーはカランティーナの倉庫に保管されていた。この倉庫は14ヶ月前のベイルート港の爆発事故現場に近い場所にある。機器が受けた損傷の度合いは不明である。
過去2年間、関係当局は明確な憲法違反をしており、10人の代議士が死亡または辞任したが、選挙を開催できなかった。
その結果が、「レバノン国民の願いを考慮に入れた近代的な市民法を生み出すための取り組み」なのだと国会副議長のエリー・フェルツリ氏は言う。