
ABOARD GEO BARENTS:国連当局の発表によると、北アフリカに位置するリビアで、移民を巻き込んだ悲劇が起きたと述べ、リビアに移民拘留施設の警備員により、少なくとも6人の移民が射殺されたと発表した。
今回の事件は、リビア政府当局による大規模な取り締まりによって、5,000人以上の移民が拘束され、国連から任命された調査団が、リビアでの移民に対する虐待や不正な扱いは人道に対する罪にあたると指摘した一週間後に発生した。
国際移住機関によると、今回の警備員による移民の射殺は、首都トリポリの西部に位置するマバニ収容センターで金曜日に発生した。今月初め、女性511人、子ども60人を含む4,187人の新規収容者が、リビア政府当局により同収容センターに拘留された。
移民収容センターを監督するリビア内務省の報道官は、コメントの要請にすぐには応じなかった。
今回の暴力の引き金が何だったのかは、事件直後すぐに明らかにならなかった。しかし、国連難民高等弁務官事務所の中央地中海特使であるヴィンセント・コシェテル氏は、リビアの過密な拘置所での「人権侵害と非人道的状況」が「無差別射撃」を含む騒乱につながったと述べた。
リビアにおける国際移住機関の責任者を務めるフェデリコ・ソーダ氏は、少なくとも6人の移民が警備員に射殺されたと述べた。
何百人もの移民が施設のフェンスの隙間から大量に逃げ出し、収容センターから脱出している様子を撮影したと思われる映像がネット上に流出した。明らかに負傷した仲間の移民を助けている様子も確認された。また、中にはトリポリの街中を大勢の移民が駆け抜けている様子を撮影した映像もあった。
今週初め、移民のグループがマバニ収容センターから脱出しようとしたものの、同収容センターへの訪問を許可された医療支援団体「国境なき医師団」によると、彼らは、「極度の暴力を受けていた」。
フランス語の頭文字をとって「MSF」として知られている「国境なき医師団」は、同収容センターを訪れたMSFのチームは「至近距離で2発の激しい銃声を聞き、男性らが無差別に殴られ、その後に車に押し込まれ、どこかに連れ去られたのを目撃した」と述べた。
国際移住機関によると、今月初めに拘束された5,000人を越える移民のうち、215人が子ども、540人以上が女性で、そのうち少なくとも30人は妊娠していたという。死者1名、負傷者15名を出した当局による取り締まりは、10月1日にリビアの移民の主要拠点である西部の町ガルガレシュで始まり、その後周辺地域にも広がった。
リビア当局は、今回の取り締まりを不法移民や麻薬密売に対する治安維持活動であると説明している。しかし、今回の取り締まりを主導した内務省は、密売人や密輸業者が逮捕されたかどうかについては言及していない。
国連難民高等弁務官事務所は、マバニ収容センターでの混乱の数時間前、イラン当局は取り締まりの際、多くの未完成の建物や移民用の仮設住宅を取り壊したと発表していた。
国連難民高等弁務官事務所は、「今回の大規模な取り締まりは、首都トリポリに住む多くの庇護希望者や難民の間にパニックと恐怖をもたらした」と述べた。トリポリにある国連難民高等弁務官事務所のコミュニティ・センターでは、保護者のいない子どもや若い母親を含む多くの移民たちが、リビアからの避難を求めて抗議活動を行っている。
国連難民高等弁務官事務所は、作業員2名が負傷したため、同センターでの活動を一時的に停止したという。
国連難民高等弁務官事務所は、リビア当局に対し、1年近く停止しているリビア国外への人道支援の航空便の再開を許可するよう求めている。
2011年に北大西洋条約機構(NATO)の軍が支援する反政府軍の反乱により、長年の独裁者であったムアンマル・カダフィ氏が倒されて以来、リビアは混乱に陥っている。
それ以来、北アフリカに位置するリビアは、アフリカや中東の貧困や内戦から逃れてきた人々にとって、非常に危険ではあるものの、ヨーロッパへの人気のルートとして浮上した。
何千人もの移民が地中海上で捕らえられ、虐待や様々な拷問、性的暴力が蔓延するリビアの収容センターに収監されている。
国連の人権機関から任命された調査官は、海上や収容センターにおける移民に対する暴力、さらに人身売買業者による移民に対する暴力は、人道に対する罪にあたると指摘した。
AP