
チュニス:数千人ものチュニジア国民が、カイス・サイード大統領の権力掌握に反対し、日曜日に首都チュニスで抗議デモを行ったが、現場に配備された大量の警察官らに行進を阻まれ、中央のハビブ・ブルギバ通りを進むことができなかった。
何千人もの人々がサイード大統領を支持してデモを行った1週間後、双方の抗議デモ参加者の数が増えていることから、チュニジアの政治的分裂が両陣営による街頭でのデモ参加者どうしの対立に発展する恐れが出てきた。
「我々はクーデターを受け入れない。もう十分だ」とデモに参加したヤシン・ベン・アモル氏は語った。一部のデモ参加者がペットボトルを投げる中、警察は暴力を振るうことなく、抗議デモ行進を阻止した。
サイード大統領は、7月に首相を解任し、国会を停止して全行政権を掌握した。大統領に反対する人々はこれをクーデターと呼んだ。先月、サイード大統領は憲法の大半を無視し、憲法改正を目指して委員会を設置する方針を表明した。さらに、大統領令により国を統治できると付け加えた。
サイード大統領の全権掌握により、「アラブの春」のきっかけとなった2011年の革命でチュニジア国民が獲得した民主主義の成果が疑問視されている。
サイード大統領はナジュラ・ラマダン氏を首相に指名したが、チュニジアの迫り来る財政危機を解決するための重要な前提となる組閣はまだ行われていない。ラマダン氏は土曜日、組閣を速やかに行うと述べた。
サイード氏は、土曜日に行われたリダ・ガルサラウイ内務大臣任代理との会談で、チュニジア国民や若者、特に地方の代表者と将来について対話を開始すると述べた。
内務省の報道官を務めるカレド・ハユニ氏は、警察は双方のデモ参加者に同じように対処すると語った。ハユニ氏は「チュニジア警察は国家の警察であり、いかなる政治的側面にも介入しない」と述べた。
主要な政党や、強力な労働組合などの市民社会の既成勢力を含まない対話であれば、サイード大統領の動きに対してより公然な反発が生じるだろう。
チュニジアに対し融資を行っている欧米諸国は、チュニジアの財政破綻を回避する必要があり、同国の危機的状況を打開するための包括的なプロセスと明確なスケジュールを求めている。
チュニジアの将来をめぐる政治的な駆け引きが非常にゆっくりと行われている中で、サイード氏は自身の立場を守るため自身を支援するデモ活動への参加者の動員を指示している。
先週、首都チュニスではサイード大統領を支持して8,000人以上のデモ参加者が集結したとロイター通信の記者や国営通信社が伝えており、内務省は約5,000人が参加したと発表している。翌日、サイード氏は180万人の人々が支持してくれたと語った。
ロイター