ベイルート:月曜日、レバノン南部の石油施設の燃料貯蔵タンクで火災が発生し、煙が立ち込める中、消防隊員が消火活動にあたり、燃え広がりを阻止するため軍が近くのタンクを冷却していた、と治安筋は語った。
地中海沿岸のザハラニ石油施設では、事故発生直後に公式なコメントや死傷者の報告はなかった。治安筋によると、ガソリンタンクの火災はまだ鎮火していないという。
軍が施設から離れるように交通を誘導しているとのことだが、この地域には人がほとんどいないようだ。
シドン市から南8kmに位置するザハラニの施設には、国内の主要な発電所の一つが設置されている。
アルジャディードチャンネルは、火災拡大による爆発発生の懸念から、レバノン軍がこの地域からの避難要請を出している、と報じた。
レバノンでは、化学物質による昨年のベイルート港爆発事故により200人以上が死亡、街が荒廃するなど一連の災害に見舞われ、経済が破綻している。
また、経済・財政の破綻に伴い、電力やガソリンの不足が深刻化している。
週末には、燃料不足のために国内最大の2つの発電所(ザハラニと北部、デイル・アマール所在)が完全に操業を停止し、数ヶ月にわたる国営電力からのわずかな電力供給に苦しめられてきた国民の苦境に拍車をかけた形だ。
エネルギー省は日曜日、レバノン軍が2つの発電所向けにに6,000キロリットルの軽油を供給したことで、電力は停電前のレベルに回復したと発表した。
世界銀行は、レバノンの経済危機を現代史における最も深刻な不況の一つと呼んでいる。人口の4分の3が貧困に陥っており、通貨価値は過去2年間で90%も下落している。
レバノンでは、国営電力会社による電力供給が1日数時間程度しか行われず、国民はますます自家発電機に頼らざるを得なくなっており、重油代の負担が重くのしかかる。
ロイター