• ヨルダン川西岸地区のイスラエル部隊と入植者は、イスラエルのガザに対する戦争の開始以降に300人以上のパレスチナ人を殺害した

ジェニン：パレスチナ人のマワヘブ・マレイさんは2重の悲劇を嘆いている。親類たちがガザで苦しみ、死んでいっており、占領下のヨルダン川西岸地区では10代の息子が殺害されたのだ。息子はイスラエルによる頻繁な襲撃の犠牲となった。

息子のエイドさんを温めるために冬が来る度にしていたように、「息子をコートで包んであげられたらいいのに、と思います」と、マレイさんはAFPに語った。

15歳のエイドさんは10月25日に、イスラエルが家族の暮らすヨルダン川西岸地区北部のジェニン難民キャンプを襲撃した際に殺害されたと、母親は語った。

「今では、私は襲撃で生き残ろうが死のうが、どちらでもよいのです」

マレイさんは、ガザ地区で継続中の戦争で親類6人も亡くしたと語った。

イスラエル軍はジェニン・キャンプと、隣接する街を定期的に襲撃しており、それがしばしば軍隊とパレスチナの過激派の間での銃撃戦に発展する。

軍は「テロリストたち」を標的としているというが、パレスチナの保健省は多くの市民が死者に含まれているという。

息子が撃たれたと聞いた時、マレイさんは地域の各病院を必至に探し回り、最終的に、銃弾による傷のために挿管され、瀕死状態となった息子を見つけた。

「とても多くの罪なき子どもたちが命を奪われました」と、同氏は述べた。

パレスチナの武装組織の拠点となっているジェニン・キャンプは元々、1948年のイスラエル建国と同時に起こったアラブ・イスラエル戦争で避難を強いられたパレスチナ人に、住居を提供するために作られた。そこに現在、23,000人以上が暮らしている。

ジェニンにいたAFPの特派員らは、キャンプ内の無数の弾丸を浴びた家々や、残骸の中に散乱する子どもの服を目にした。

ヨルダン川西岸地区のイスラエル部隊と入植者は、イスラエルとハマスの戦争開始以降に300人以上のパレスチナ人を殺害したと、パレスチナの保健当局者はいう。

爆破され、粉砕されたタイルが散乱したジェニンのモスクの中に立ち、隣に住む高齢のパレスチナ人であるハニ・アル・ダマジさんは、自分と親類たちはモスクが攻撃された時に生きて逃げられて幸運だったと語った。

10月にイスラエルの空爆がアル・アンサール・モスクを襲い、下の方の階は骨組みだけになった。階段の先には空があるだけで、どこにも続いていない。

パレスチナ保健省は、この攻撃で男性2人が死亡したと発表した。一方、イスラエル軍は、モスクの地下を指令センターとして利用していた「テロ工作員たち」を標的とし、殺害したと述べた。

モスクに近接するダマジさんの寝室では、コンクリートの塊が壁を突き破り、マットレスに瓦礫が降ってきた。

キャンプの他の住民はAFPに、イスラエルの作戦の間に流れ弾によってベッドの中で死亡した人々もいると述べた。

今月に行われた数日がかりの襲撃で、イスラエル部隊が11人を殺害し、13歳の病気の少年が病院へ行くのを妨げられて死亡したと、パレスチナの保健当局が発表した。

負傷者の中には、胸を撃たれた27歳の女性がいたと、パレスチナ赤新月社が述べた。

軍は当時、部隊は兵器数十点を押収し、多数の爆弾製作所を取り壊したと述べた。

先月にイスラエル軍が行った襲撃で、ヨルダン川西岸地区における1回の襲撃での死者数として2005年以来最多となる14人が殺害されたと、パレスチナ保健省が発表した。

イスラエルは1967年の「6日戦争」以来、パレスチナ領土を占領している。

今月、キャンプ内にある別のモスクの中で拡声器を使ってユダヤ教の祈りを唱えるイスラエル兵たちの様子が映像で明らかになり、これをパレスチナ大統領府は「恥ずべき冒涜行為」だとした。軍は、この兵士たちは任務から外されたと発表した。

兵士たちが近くの「フリーダムシアター」に押し入ったという非難もあり、現地でAFPの特派員が被害の痕跡を目にした。

「兵士のこういったふるまいは何なのでしょう」と、この劇場の芸術監督であるアフメド・トバシ氏は述べた。

「私たちの人生、未来、睡眠、呼吸―それはイスラエルの手中にあります」

AFP