
アラブニュース
テヘラン/ジェッダ: 元イラン中央銀行総裁が、16日、詐欺、汚職、数百万ドルの外貨密輸の罪で懲役10年の刑を言い渡された。
バリオラ・セイフ被告(69歳)は、2013年〜2018年に解任されるまでハッサン・ローハニ前大統領政権で中央銀行の総裁を務めていた。イラン中央銀行の総裁が起訴されたのは今回が初めてとなる。セイフ被告は上訴しているため身柄は拘束されていない。
米国財務省は、2018年、ヒズボラへの数百万ドルの送金を手助けしたとしてセイフ被告を制裁の対象としている
2017年〜2018年までイラン中央銀行の副総裁を務めたアーマド・アラーチ被告は、セイフ被告と同じ罪で懲役8年の刑を、また中央銀行でナンバー3のポストにあったラスール・サジャド被告は外為法違反と収賄の罪で懲役13年の刑をそれぞれ言い渡された。
司法当局のザビホラ・コダイエン報道官は、他8人にも懲役刑が言い渡されたと発表した。有罪判決を受けた者はには全員上訴する権利がある。
コダイエン報道官の発表によると、イランリヤルが主要通貨に対して大幅に下落した2016年に、それら3人の中央銀行当局者が外為法違反にあたる行為に関与し、1億6000万ドルと2000万ユーロを違法に市場に注入したとのことである。
リヤルの対米ドル為替レートは、アラーチ被告就任当初の2017年には1ドル=39,000リヤルであったが、解任された2018年には、1ドル=11万リヤル以上に達していた。
この変動は、米国からイランに対する厳しい制裁が課せられた時期と部分的に一致している。
イランリヤルは、イランが世界の大国と核合意に達した2015年の約1ドル=32,000リヤルから、ここ数ヶ月間で約27,000リアル急落している。
2018年に当時のドナルド・トランプ米大統領が核合意から撤退し、イランに壊滅的な打撃を与える制裁を課す決定を下すと、予想外にもイランリヤルの対米レートは一時的に持ち直していた。
この制裁措置により、イランの主な財源である石油の輸出が大幅に減少した。
(APと共著)