• 国際社会からアッバース大統領は、和平プロセスの重要なパートナーであると認識されている。

エルサレム： 最新の世論調査によると、パレスチナ人の約80％がアッバース大統領の辞任を望んでいること明らかとなった。この結果には、反自治政府活動家が治安部隊に拘束されて死亡したことや、夏に行われた抗議活動の取り締まりに対する市民の怒りが反映されている。

火曜日に発表された世論調査によると、アッバース大統領が敵対する存在であるハマスへの支持率は、今年5月、11日間に渡ってガザ地区で行われた武力衝突から数ヶ月経ってもなお高いままであることがわかった。5月の武力衝突において、イスラム過激派組織は、パレスチナ人の間では、はるかに強力なイスラエルに対して勝利を収めたと広く見なされ、一方、欧米諸国の支援を受けているアッバース大統領は脇に追いやられた。

パレスチナ政策調査研究所（Palestinian Center for Policy and Survey Research）が行った最新の世論調査によると、パレスチナ人の45％がハマスがパレスチナを率いて、国を代表する党となるべきだと考えているのに対し、アッバース大統領が率いる世欲主義のファタハが国を率いる党としてふさわしいと答えたのはわずか19％に過ぎず、この3ヵ月の間にファタハへの支持は、わずかに変化しただけである。

20年以上にわたってパレスチナ人の世論調査してきた同センターのカリル・シカキ代表は、「これはアッバース大統領にとって最悪の世論調査の結果です」と語った。「アッバース大統領は今日ほどひどい状態に陥ったことはありません。」

アッバース大統領の人気は急落し、アッバース氏は選挙の実施も拒否しているものの、、国際社会は85歳のアッバース大統領をパレスチナ人のリーダーとして、10年以上も前に停止したイスラエルとの和平プロセスの重要なパートナーとみなしている。

パレスチナ自治政府は、1990年代に和平プロセスが最高潮に達した際にイスラエルと締結した暫定協定に基づいて、占領下のヨルダン川西岸地区の一部を管理している。ハマスは、議会選挙で勝利した翌年の2007年、ガザ地区の権力を掌握し、アッバース氏が率いる軍隊をガザ地区から追放した。

アッバース氏の最近の苦境は4月に始まった。アッバース氏は、15年ぶりとなるパレスチナ議会選挙を中止したが、これはファタハが再び選挙で屈辱的に敗北することを避けるためであると見られている。翌月には、エルサレムでの抗議活動やガザ地区での武力衝突の中で、多くのパレスチナ人が、イスラエルの占領に対する闘争を支援するためにパレスチナ自治政府は何もしていないと非難し、ハマスの人気は急上昇した。

パレスチナ自治政府を厳しく批判していたニザール・バナート氏が、6月、深夜に逮捕された際にパレスチナの治安部隊に暴行され、死亡したことで、占領下のヨルダン川西岸地区では、アッバース大統領の辞任を求める抗議活動が展開された。

これに対し、アッバース大統領の治安部隊は抗議活動の弾圧を開始し、治安部隊により数人のデモ参加者が殴打、逮捕された。

最新の世論調査では、パレスチナ人の78％がアッバース大統領の辞任を望んでおり、アッバース大統領は留任すべきだと考える人はわずか19％であった。

世論調査の結果、パレスチナ人の63％がバナート氏はパレスチナ自治政府の政治・治安担当者の命令により殺害されたと考えており、彼の死は過失だと考える人は22％にとどまっている。パレスチナ自治政府は最近、バナート氏の逮捕に関与した14人の治安当局者を裁判にかけると発表した。世論調査によると、回答者の69％の人がバナート氏の件に関するパレスチナ自治政府の「対応が不十分である」と感じている。

また、世論調査によると、パレスチナ人の63％がバナート氏の死後に発生したデモ抗議を支持しており、74％がパレスチナ自治政府によるデモ隊の拘束は、自由と市民の権利の侵害であると捉えている。

パレスチナ政策調査研究所によると、今回の世論調査はヨルダン川西岸地区およびガザ地区に住むパレスチナ人1,270人を対象に、直接面会にて行われたものであり、その誤差は3パーセントポイントである。

AP