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活動家「ベイルート港爆発事故の捜査停止を望む者は犯罪に関与している」

国会審議中のレバノンのナジーブ・ミカティ首相。ヒズボラは「ミカティ氏が招集すれば閣僚会議に出席するでしょう」と述べた。(ロイター)
国会審議中のレバノンのナジーブ・ミカティ首相。ヒズボラは「ミカティ氏が招集すれば閣僚会議に出席するでしょう」と述べた。(ロイター)
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20 Oct 2021 01:10:59 GMT9
20 Oct 2021 01:10:59 GMT9
  • 市民社会のメンバーが「司法との団結」を示すために正義宮殿(Justice Palace)前で座り込み活動を行った

ナジャ・フーサリ

ベイルート:2020年8月の港爆発事故の捜査を担当していたタレク・ビタール判事が火曜日に捜査を再開した。レバノン破棄院民事部から、国会議員のアリ・ハッサン・カリル氏の裁判に関して被告から提出された申請を却下するという2度目の判決の通知を受けたことによるものだ。

長期の休暇を経て、ベイルートの正義宮殿で通常の業務が再開された。レバノン軍が正義宮殿とアイン・レマネへの道路を警護している。そこは木曜日にビタール氏の捜査解任を求める抗議活動を巡って流血事件の舞台となった場所である。こうした出来事の反動が政治情勢や政党、そして人々に影響を与えている。

レバノン反対戦線(Lebanese Opposition Front)の後援を受けている市民社会活動家が正義宮殿前で座り込み活動を行い、「国家の責務を遂行する司法との団結と、脅迫に対峙するビタール判事への支持」を表明した。

デモ参加者を代表し、活動家のジアド・アブデル・サマド博士は次のように語った。「合法的な指導者、裁判官、司法がなければ自由と主権のある国家は存在できません」

アブデル・サマド氏は次のように求めた。「被告はビタール判事の前に出廷すべきです。無実ならば普通は脅迫手段に訴えるのではなく、姿を見せて自分を弁護するでしょう」

「現在、我々がこのような最悪な状態に至ったのは、ヒズボラ組織と連携し、違法な武器で守られたエリート支配層のせいです」

「エリート支配層はあらゆる恣意的な方法や脅迫でビタール判事の解任を望んでいます。エリート支配層が前判事の解任に成功した後、ビタール判事が真実に近付いたからです。自分たちが犯罪に関与しているという自覚があるから、訴追免除の背後に身を隠しているのです」

アブデル・サマド氏は、「脅迫を行っている者たちは犯罪に関与しています」と主張した。

先週発生したタヨーネでの事件に関し、同氏は次のように述べた。「街に出て平和的にデモを行っていた、と彼らは主張しています。しかしレバノンに対する陰謀と憎しみの結果、彼らはもう少しで我々を新たな内戦へと巻き込むところだったのです」

ビズボラと協力関係にあることで知られているメイ・アル・カンサ弁護士が、レバノン破棄院民事部に報告書を提出した。報告書はレバノン軍団党のサミール・ジャアジャア党首やビタール判事に反対するものであり、さらには「捜査において関係者と思われる全ての者、テロ犯罪やテロへの資金提供の共犯者や協力者、国家権力の弱体化、衝突の扇動、そして法律およびレバノン憲法に反するその他の犯罪に関わった全ての者」に反対するものである。

ヒズボラの指導者ハッサン・ナスラッラー氏は月曜夜、レバノン軍団党と党首に対し、前代未聞の糾弾と扇動のキャンペーンを遂行した。

ナスラッラー氏はレバノン軍団党を「レバノンのキリスト教徒の存在にとっての最大の脅威」であると非難し、レバノン軍団党は「ダーイシュと同盟を結んでいる」と発言した。

ジャアジャア氏とレバノン軍団党に対する明確な脅しとして、ナスラッラー氏は演説で「10万人の訓練を受けた戦闘員」がいると自慢し、キリスト教徒に向けて「この殺人者に対して立ち上がる」よう呼びかけた。

ナスラッラー氏は、ビタール氏は「ベイルート港の犯罪に関しビズボラを標的とした外国のアジェンダを実行」しており「大使館や当局からの支援を受け、独裁者にされてしまった」と非難した。

火曜日の国会審議では、ヒズボラとレバノン軍団の接触は行われなかった。しかし、レバノン軍団のピエール・アブ・アシ議員とアマル運動のハニ・コーベイスィー議員の握手が見られた。

ヒズボラを代表している文化大臣のモハメド・モルタダ氏は次のように述べた。「ナジーブ・ミカティ首相が閣僚会議を招集すれば、ヒズボラの閣僚は出席します。しかし司法大臣と裁判官は、ビタール氏の信頼が欠けている問題の解決策を見つけなければなりません」

状況を落ち着かせて悪化を防ぐため、月曜夜、異なる政治グループ間で何度も電話が行われた。

ビタール氏の地位を維持し、ベイルート港事件の被告である元閣僚・国会議員を最高裁判審議会に起訴するという合意を結ぶために努力が行われている。

一方別のところでは、最低26議席の女性枠で女性の参加を保証するという議案が国会で取り下げられた。

国外居住者が128議席の国会議員に投票できるようにするという議案が国会で可決され、国外居住者を代表する議席を6議席追加で割り当てるという決定は取り下げられた。

国会の決定に、国会のストロング・レバノン(Strong Lebanon)連合の代表を務めるジブラーン・バシール氏は憤慨した。国会での審議後、バシル氏は次のように言及した。「国外居住者の投票権問題を巡る政治ゲームです。そんなことは我々がやらせません」

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