
ドゥイサット、シリア:降水量の低下と構造上の損傷、また苦闘している農民による水の採収により、シリア北西部にある重要な貯水湖が干上がった。農民と役人は、貯水湖から水が完全になくなるのは初めてだとAFP通信に語った。
人為的な気候変化が干ばつや山火事を頻繁に世界的にもたらしている中、歴史的に見ても少なかった昨冬の降水量の影響を受けて、シリアは現在観測史上最も暑く乾燥した1年を経験している。
多くの農民にとっての水源であるイドリブ県のアル・ドゥイサットダム付近にあるこの貯水湖が完全に干上がるのは、27年の歴史の中で初となった。
現れた湖底は多くの場所でひび割れており、座礁した手漕ぎボートや動物の頭蓋骨、枯れ果てた木々がそこら中に見られる不気味な光景が広がっている。
いくつかの浅い水たまりが残っており、その周りには新芽を食べようと羊の小さい群れが見られる。
世界銀行によると、この貯水湖の貯水容量は360万立方メートル(3880万平方フィート)で、主に灌漑と給水に使用されている。
管理エンジニアのマーヘル・アル・フセイン氏は、「干ばつと降水量の不足で、今では湖底を歩けます」と語り、たった2年前は容量満杯だったのに、と振り返る。
貯水湖から灌漑用水路へと水を引く主なパイプラインにある損傷が大量の水漏れを引き起こし、さらにそれが農業用地へ届く水の量を減少させている、と付け加えた。
「1994年に貯水湖が造られて以来初めて干上がった」とフセイン氏。およそ800世帯が150ヘクタール(370エーカー)の農業地へ水を引くためにこの貯水湖に頼っていると語った。
「この10年、この貯水湖に来ているよ」と牛の牧場主のアブ・ジュムア氏。「もし神が今年雨を降らせて貯水湖をいっぱいにしてくれなかったら…生活の糧である作物を育てることはできないだろう」
AFP