
ベイルート:レバノンで昨年起きたベイルート港の爆発事故の調査などの司法の職務に政治家が介入することに抗議する判事3名が辞任した。司法情報筋が木曜日に明らかにした。
政界指導部が最高裁判所を含む司法職を任命するレバノンでは権力を持つエリート層に司法が立ち向かう余地はほとんどない。
昨年起きたベイルート港の大爆発事故の調査によって、そうした政治介入の深刻さが浮き彫りとなっている。調査を担当するタレク・ビタール判事の職務を妨害するために政府高官は裁判所で様々な訴えを起こして判事をがんじがらめにしている。
全員女性である3名の判事が水曜日「司法の職務における政治介入と判事や裁判所の決定の空洞化に抗議するため」に辞表を提出した、と司法情報筋が明かした。
同国最高裁判所長官はこれまで辞表を受理しておらず、問題を協議するための会合を招集した、と情報筋は付け加えた。
ビタール氏の罷免を求める議員らの申請を処理している判事らやビタール氏について政府高官が数十件にもおよぶ訴訟を起こしたことを受けての辞表提出である。
辞表を提出した判事には政府高官の調査担当罷免要求を今週却下した判事が含まれている。
彼女の決定の正当性に疑義を訴える調査申請が直後に出される事態になっていた。
「恒常的に司法の決定を疑うことはその信用を損なうものだ」と上記情報筋である裁判所高官は匿名を条件に語った。
ベイルート港爆発事故の調査が最も注目される問題ではあるが、政界指導部の介入を受けるケースはこれだけではない。
リアド・サラメ中央銀行総裁が脱税や不正蓄財を行っていた疑惑についての捜査もまた担当するジーン・タンヌース氏に対して起こされた訴訟によって停止している。
AFP