
ウイーン:米国は、イランがIAEAに対する非協力的な姿勢を是正しない場合、来月、IAEAの会合でイランを追及すると警告した。外交圧力の強化は、2015年のイラン核合意の再建に向けた協議の妨げとなる可能性がある。
イラン政府はIAEAとの間でいくつかの対立を抱えている。IAEAは今週、四半期ごとに開催される35か国からなる理事会を開く。
ドナルド・トランプ前大統領は、イラン核合意として知られる包括的共同行動計画(JCPOA)から米国政府を離脱させた。イラン核合意では、イランが核開発を制限する見返りにイラン政府に対する制裁を緩和していた。
トランプ氏がイランに対する制裁措置を復活させた後、イラン政府は核開発を拡大し、IAEAとの協力関係を縮小した。
イランは現在、カラジにあるTESA核関連施設に監視カメラを再度設置するためのIAEAのアクセスを拒否している。
IAEAは、明らかに古いにもかかわらずIAEAに申告されていない場所で発見されたウラン粒子の出所についても回答を求めている。また、イランがIAEAの査察官に対して「過度に侵略的な身体検査」を続けていると主張している。
IAEAは声明で、「イランの非協力的な姿勢がただちに是正されない場合、理事会は危機に対応するために年内に臨時会合を開催せざるを得ない」と述べた。
IAEAは声明で、「特に」カラジの核関連施設への監視カメラの再設置に言及している。同施設では、ウラン濃縮に用いる高性能な遠心分離機の部品を製造している。
カラジの核関連施設は6月に明らかな破壊工作を受けており、イランはイスラエルによる攻撃だと主張している。イスラエルはこの事件に関してコメントしていない。
同施設に設置されていたIAEAのカメラ4台のうち1台が破壊され、記録されていた映像は失われている。イランは事件後、カメラをすべて撤去した。
IAEAのラファエル・グロッシ事務局長は24日、カラジの核関連施設が再び稼働しているかは不明だとしたうえで、合意までの残り時間が少なくなっていると述べ、他のいくつかの問題についても進展がないと付け加えた。
臨時理事会は、イランに対する決議を行うことを目的としている可能性が高く、そのような外交圧力の強化はイラン政府の反発を招く可能性が高い。
その場合、29日に再開するイラン核合意の再建に向けたイランと米国の間接協議に悪影響が出る可能性がある。
イランのホセイン・アミラブドラヒアン外相は26日、イランは検証可能なプロセスですべての制裁が解除されることを望んでいると述べた。
ロイター