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アラブ首長国連邦とトルコ、投資案件で経済関係を深める

投資案件は、アブダビ首長国のシェイク・ムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン皇太子殿下がトルコのタイイップ・エルドアン大統領と会談するためにトルコを訪問した際に合意された。(ロイター)
投資案件は、アブダビ首長国のシェイク・ムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン皇太子殿下がトルコのタイイップ・エルドアン大統領と会談するためにトルコを訪問した際に合意された。(ロイター)
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28 Nov 2021 07:11:40 GMT9
28 Nov 2021 07:11:40 GMT9
  • 「トルコのメヴリュット・チャヴシュオール外相の12月中旬のアブダビ訪問は重要な一歩となる」と、アナリストはアラブニュースに語る

メネクシェ・トクヤイ

アンカラ:トルコは11月24日、アラブ首長国連邦(UAE)の事実上の指導者であるアブダビ首長国のシェイク・ムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン皇太子殿下を歓迎した。2国間の対立は10年近く続いており、トルコへの他国首脳の訪問としては最高レベルのものとなった。

今回の皇太子によるトルコ訪問は、トルコとUAEの経済関係に新たな1ページを開くもので、両国は100億ドルのファンドによる複数の投資協定に署名した。

合意内容は、エネルギー、港湾・物流、石油化学、テクノロジー、食料・ヘルスケアなどの戦略的分野が中心で、証券取引所間や、スワップ契約の締結も視野に入れた中央銀行間の協力関係も含まれている。

ワシントンにあるアラビア湾岸諸国研究所(Arab Gulf States Institute)の上級専属研究員であるロバート・C・モギールニッキ博士は、「トルコは大きな市場であり、UAEがより広い中東・北アフリカ(MENA)地域との経済的な関わりから最大限の利益を得ようとするならば、トルコは無視できない国です」と述べている。

「トルコも同様に、国内経済が不安定で不確実であることから、安定した貿易・投資パートナーを確保したいのです」と、同博士はアラブニュースに語った。

この協定の大きな可能性を考えると、特にトルコリラが今週最安値を更新するなど経済的に苦しい状況にある中で、数十億ドルの資金を放出するこの経済的な和解が、政治的な接触によってどの程度まで支えられるかは未知数だ。

これと同じタイミングの、ドバイで開催された2国間の合同経済委員会の会議の直後に、UAEのアブドラ・ビン・トウク・アル・マリ経済大臣はトルコのメフメト・ムシュ貿易大臣と会談した。

アル・マリ経済大臣は、「本日、我々は両国の持続可能な経済パートナーシップの新たな時代をスタートさせる」と述べた。

UAEの政府系ファンドは、既にトルコのオンライン食料品店「Getir」やeコマース大手の「Trendyol」に巨額の投資を行っている。

ワシントン近東政策研究所トルコ研究プログラムのディレクターであるソネル・カガプタイ氏は、UAEがトルコへの100億ドルの投資の意思があることを示したことは、トルコの健全な経済政策と相まって、トルコ経済に一石を投じる可能性があると考えている。

「トルコ経済を完全に回復させることはできないにしても、最近起こっているような悪化の一途を止めることには役立つでしょう」と、同氏はアラブニュースに語った。

しかし、モギールニッキ博士は、UAEとトルコの和解がトルコの通貨危機に大きな影響を与える可能性は低いと考えている。トルコの通貨危機は、中央銀行や米国の金利をめぐる政治的な力学とより密接に関連しているからだ。

「しかし、UAEからの経済的な信任投票は有るに越したことはありません」と、同博士は述べた。

トルコのメヴリュット・チャヴシュオール外相は12月中旬にアブダビを訪問する予定で、政治的な和解に向けた相互の歩み寄りに期待が高まっている。

トルコと中東・北アフリカ(MENA)関係を研究しているイスタンブール在住のメラハト・ケマル氏は、トルコおよびUAEが今般の一連の合意による経済的利益を維持するためには、いくつかの重要な政治的紛争を解決しなければならないと述べた。

「最初のステップとして、シリアとリビアにおける紛争や東地中海のガス探査に関する政策について合意を形成する必要があります」と、同氏はアラブニュースに語った。

「これらの重要なトピックについて、いまだに両国の首脳からは政治的な声明が出されていません。トルコ政府はむしろ、金融面の関係にのみ焦点を当てて、和解を区分して考えようとしています」

両国の貿易量は、昨年は2019年と比較して21%増加し、2021年上半期には前年同期比で倍増している。

両国は非石油貿易の多様化に取り組んでいる。トルコはUAEの製品をアジアやヨーロッパに輸出するための重要な市場であり、UAEはトルコ製品の中東・北アフリカ(MENA)への輸出を支援している。

ケマル氏によると、政治的な和解には相互に信頼関係を醸成する取り組みが必要であり、短期的には、地域に安定をもたらす経済面の関係構築のみ進展する可能性があるという。

「12月のチャヴシュオール外相の訪問は、この方向に向かう重要な一歩です」と同氏は述べた。

カガプタイ氏も同意見だが、両国はいくつかの問題について真剣に対話していないため、道のりは長いという。

「3つの紛争地域について両国の見解は異なっています。UAEはシリアのアサド政権との関係を正常化しようとしているのに対して、トルコは依然として同政権との敵対関係を維持しています」と同氏は述べた。

「リビアやイエメンの内戦についても、両国の利害関係は対立しています」と同氏は述べた。

カガプタイ氏によると、ムスリム同胞団の問題は政治的な正常化の試金石になるという。

「ハマスや、UAEが国内外の最大の安全保障上の脅威とみなしているムスリム同胞団への支援をトルコは止めるべきです」と同氏は述べた。

米国が中東から太平洋に軸足をシフトする中、アラブ諸国は地域の緊張関係を緩和させ、正常化への努力を続けている。

トルコ政府もまた、トルコ国内におけるハマスやムスリム同胞団の活動を制限するために、いくつかの措置を講じている。これは、アラビア湾岸諸国がトルコと和解するためのインセンティブとなる。

モギールニッキ博士によると、地域の外交の緊張関係や紛争は収拾がつかなくなってきているとの認識が2021年初めから広まっているという。

「紛争が長引くと、肝心の経済回復の妨げとなる可能性があります。UAEのようなアラビア湾岸諸国は、今後の外交政策の決定が経済にとって良いものであることを望んでいます」と、同博士は述べた。

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