
ラマッラー:占領地ヨルダン川西岸地区のイスラエルの検問所に車で突っ込んだパレスチナ人の10代の若者が、6日、現場にいた警備員に射殺されたと、当局者が語った。
車での突入攻撃は、午前1時過ぎ、パレスチナの都市トゥルカム近くのテーニム検問所で発生したと、イスラエル国防省が出した声明は述べ、襲撃犯は「無力化された」と付け加えた。
襲撃者とされる人物が死亡したかどうかはすぐには明らかにならなかったが、パレスチナの公式通信社Wafaはその後、15歳のモハメド・ニダル・ユネスさんが検問所で銃撃を受けた後、負傷して死亡したと報じた。
イスラエルの治安当局者はAFP通信に対し、車の運転手が死亡したことを確認した。
国防省は、この襲撃で警備員が「重傷」を負ったと発表した。
イスラエルのシバ病院は、警備員の怪我は命に別状はないと発表した。
イスラエルは1967年以降、ヨルダン川西岸地区を占領しており、現在、このパレスチナ自治区には、国際法上は広く違法と見なされている地域に、約47万5000人のユダヤ人入植者が住んでいる。
検問所襲撃はよくあることで、しばしばナイフで武装したパレスチナ人が実行しており、車での体当たりを試みたり、時には銃撃戦が行われたりすることもある。
6日の事件は、4日にイスラエルが併合した東エルサレムの旧市街への入り口のダマスカス門付近で、パレスチナ人の襲撃犯がイスラエル人市民を刺し、警察を襲撃しようとした後の出来事だ。
襲撃犯は警官らによって射殺されたが、警官らは容疑者が地面に倒れた後に発砲した模様で、過剰な力の行使をめぐる議論を引き起こした。
イスラエル当局は、警官らは適切に行動したと主張している。
イスラエル当局は、有名なパレスチナ人の囚人を、釈放に関する合意を結んで2週間後の5日に解放した。同協定により、131日間の長期に及ぶこの囚人のハンガーストライキは終わった。
カイエド・ファスフォス氏32歳は、11月23日にストライキを終えて以降、イスラエルの病院に入院していた。
同氏は、容疑者を何の罪状もなく無期限に拘留することを可能とするイスラエルの問題の「行政拘禁」政策に抗議する6人のハンガーストライカーの象徴的人物だった。
イスラエルはこの政策を、貴重な情報源を明かしてしまう可能性があるデリケートな情報を開示することなく、危険な容疑者を閉じ込めておく上で必要だと主張している。
パレスチナ人や人権団体は、このような行為は適正手続きの権利を否定し、イスラエルが数ヵ月間、あるいは数年間でさえも、証拠を検討することなく囚人を拘束することを可能にしていると主張している。この法律がイスラエル人に適用されることはほとんどない。
元・現囚人を代表する団体、パレスティニアン・プリズナーズ・クラブは、ファスフォス氏が5日の午後、南部の都市ヘブロン近くの軍の検問所を通って占領地ヨルダン川西岸地区へと帰宅したことを確認した。
ネット上の映像には、車いすに乗った元囚人が、ヨルダン川西岸の都市ラマッラーの病院に搬送される前に、南部の故郷デュラに戻ったことを祝う様子が映っていた。
ハンガーストライキを行った6人の窮状は、11月にイスラエル占領下のヨルダン川西岸およびガザ地区で行われた連帯を呼び掛けるデモを引き起こし、囚人の解放を求めるイスラエルに対する圧力が高まった。
他の5人のハンガーストライカーのうち少なくとも4人は、イスラエル当局と同じような合意を結んだ後、抗議活動を終了している。彼らは今後数ヵ月以内に釈放される見込みだ。
ハンガーストライキは、パレスチナ人の囚人の間では一般的で、イスラエル当局から多くの譲歩を得るのに役立ってきた。
ハンガーストライキの性質は、罪状なしでの拘留に抗議する個人から、独房の環境改善を求める団体まで様々だ。
パレスチナの囚人の権利擁護を求める団体アダメアによると、イスラエルに拘束されているパレスチナ人4600人のうち、約500人が行政拘禁されているという。
AFP