• 7年間に、数千人がエルドアン大統領を侮辱した罪で起訴され、実刑判決を受けている

フランス・ストラスブール：火曜日、欧州トップの人権裁判所はトルコに対し、人々の拘禁は、法律に基づく表現の自由を侵害しているとして、大統領の侮辱に関する法律を変更するようトルコに求めた。この法律のもとで数万人が起訴されている。

ベダト・ソルリ氏は、タイイップ・エルドアン大統領の漫画と写真に風刺を交えた批判的なコメントを添えてフェイスブックで共有したことを理由に、2017年に11か月の禁固刑を言い渡された。

欧州人権裁判所は、ソルリ氏を拘留し、訴訟前に逮捕したこと、または刑罰を課したことは正当化できないと述べた。

そして、「この種の制裁は、その性質上、必然的に、公共の問題について意見を表明しようとする人を萎縮させる」とした。

ソルリ氏に対する刑事訴訟は「表現の自由と相いれない」と裁判所は付け加えた。

エルドアン氏が首相から大統領に就任して以来、7年間に、数千人が大統領を侮辱した罪で起訴され、実刑判決を受けている。

司法省のデータによれば、2020年には、この容疑に関連して31,297件の調査が開始され、7,790件の起訴が行われ、3,325件の有罪判決が出た。これらの数字は前年度と比べて微減している。

エルドアン大統領が就任した2014年以降、大統領を侮辱した疑いで160,169件の調査が開始され、35,507件の起訴が行われ、12,881件の有罪判決が出ている。

今年初めに目立った件は、親クルド派の政治家、セラハッティン・デミルタス氏がエルドアン大統領を侮辱したとして3年半の刑を受けたことだ。デミルタス氏の弁護士によると、この罪の刑期としては非常に長いという。

大統領の侮辱に関するトルコの法律は、国家元首に、有利な情報や意見を伝える特権的な立場を与えている、と裁判所は述べた。

裁判所は、当局に干渉されることなく人々が意見を持ち、考えを伝える自由を保証するために法律を変更する必要があると述べ、ソルリ氏の件に見られるような侵害を止めなければならないとした。

外交官10人を召喚

この件とは別に、トルコの外務省は、拘置されている慈善家・公民権活動家のオスマン・カヴァラ氏の釈放を求めた米国と他9か国の大使を召喚し、その声明に抗議した。

64歳のカヴァラ氏は、イスタンブールのゲジ公園で始まった2013年の全国的なデモによってトルコ政府転覆を図ったとして、4年間拘束されている。また、2016年の軍事クーデターの失敗に関連して、スパイ活動と政府転覆を図った罪で起訴された。

外務省によると、大使らに、「独立した司法機関が行った法的手続きに関し、ソーシャルメディアに投稿された不適切な声明は受け入れられない」と伝えたという。そして、トルコは「司法手続きを政治化し、トルコの司法に圧力をかける」企ては拒絶する、とした。

また「トルコは人権を尊重する法治の民主主義国だ。トルコの司法はそのような無責任な発言に左右されないことを改めて確認した」と付け加えた。

ロイター/AP