
ロンドン:英国は金曜、イランが今週行った戦闘演習での弾道ミサイル発射を非難したと発表した。外務省は声明で「これらの行動は地域および国際社会の安全保障を脅かすものであり、我々はイランに対し直ちに活動を停止するよう呼び掛ける」と発表した。
国営イラン通信(IRNA)は金曜、イランの民兵組織である革命防衛隊が12発以上の地対地弾道ミサイルを発射したと伝えた。報道によると、革命防衛隊はイラン南部で行われている大規模な軍事演習においてミサイル16発を発射した。
ミサイルにはEmad、Ghadr、Sejjil、Zalzal、Dezful、Zolfagharの名前がついており、射程距離は350~2,000キロメートル(220~1250マイル)であると伝えられた。これらの短・中距離ミサイルでは、地域だけでなくイスラエルの米軍基地も射程圏内となる。
ミサイルはドローン10基が同時に標的に命中したのと同じタイミングで一つの標的に命中したという。国営テレビでは砂漠でのミサイル発射の様子を映していた。
イランは過去にミサイルを公開し、実験発射を行っていた。
イラン軍のムハンマド・ホセイン・バゲーリ参謀長は、今回の計画演習はイスラエルによる最近のイランへの「大規模ながら無意味な威嚇行為」に対する答えだと述べた。「これは敵のどんな標的も同時に直撃可能な何百発ものミサイルのうちのほんの一部だ」と参謀長は語った。
イスラエルは長らくイランの核プログラムを脅威とみなしており、米国および国際社会に対しより強固な対応を求めている。イランは自国の核プログラムは平和的利用のためのものであると主張している。演習2日目の火曜には、イランは巡航ミサイルも発射した。
革命防衛隊は過去に射程距離1,000キロメートル(620マイル)の巡航ミサイルを保有していることを発表している。また、最大射程2,000キロメートル(1,250マイル)のミサイルも保有している。
イランは時折、軍の準備態勢の改善および新兵器の実験が目的だとして軍事演習を行っている。
5日間にわたり行われるこの年次演習は、イランと諸大国の間の核合意復活を目指して行われた交渉が決裂してからわずか数日後の月曜に開始した。核合意復活への交渉がなかなか進まない中、イランは核開発を加速させている。交渉は月曜に再開する。
米国のドナルド・トランプ前大統領は2018年に核合意から離脱し、イランに対し厳しい制裁措置を再開していた。これ以降イランは濃縮度最大60パーセントのウランの製造を始めた―これは技術的には原子爆弾製造に必要な90パーセントまであと一歩という段階だ。
ロイター/AP