
ナジャ・ホーサリ
ベイルート:レバノンの人々は、健康と安全に警戒する中、2021年に別れを告げ、2022年の行く末を注視している。
大晦日の夜、治安部隊と市民防衛局のメンバーらが国中に配備され、アンフェからナクーラまでの海岸沿いと、この時期にパーティーが開かれることで知られる山岳地帯に60の検問所が設置された。
市民向けに啓発目的のハッシュタグ「#DontLetLaughterTurnToTears」が立ち上げられ、来る新年の喜びを悲劇に変えないよう、運転に注意するよう呼びかけた。
観光省は、レストラン、ナイトクラブ、ホテルに対し、現行の新型コロナウイルス感染症予防措置を遵守しつつ、ワクチン接種証明書または過去48時間以内に実施したPCR検査の陰性証明がない人の入店を拒否するよう要請した。
2021年大晦日、富裕層や休暇で帰国した国外居住者はホテルやナイトクラブで祝杯をあげているが、国民の大半が自宅やシャレーで過ごしていることから、多くの人々がパン屋やスーパーマーケット、ケータリングサービスに殺到した。
金曜日にはほとんどのテレビ局が娯楽番組を放送し、電話を掛けてきた人に丸ごとのチーズやディナー券、少しばかりのドルなど、さまざまなプレゼントを配布した。レバノンが金融危機に見舞われている中、それらのプレゼントは今や一財産の価値がある。
複数のアーティストが歌うようなパーティーは、保健省のガイドラインにより会場定員の30%までという入場制限のもと、参加費用は100ドルから750ドルとなる。もっとも、この大晦日、ほとんどのレバノン人アーティストは海外のパーティーで歌う。
一方、新型コロナウイルス感染症の予防措置を実施する委員会は、ワクチン未接種者への外出禁止令を出していたが、この措置は国民に真剣に受け止められていない。
大晦日を前に、保健省は新たに4,537人の感染と15人の死亡を確認した。
レバノンは休暇中のロックダウンを回避したため、保健大臣のフィラス・アビアド博士は、関係当局が完全なロックダウンを実施せざるをえなくなるような健康災害の発生を懸念している。完全なロックダウンを実施すれば、2022年1月10日に再開予定の現学年に悪影響が出る可能性がある。
アッバス・アル・ハラビ教育・高等教育相は、公立・私立の教育機関の全ての関係者に対し、全職員がワクチンを2回接種すること、また接種しなければ自費で週2回PCR検査を受けることになると呼びかけた。
議会の保健委員会を率いる心臓専門医のアセム・アラジ議員は、「我々は感染拡大に直面しており、患者の増加は差し迫っています」と述べ、オミクロン株の症例が増加していることを懸念している。
同議員は、「特に医療スタッフや医薬品が不足している中で、複数の病院で新型コロナウイルス感染症用のベッドが不足しており、大晦日のパーティーの後に入院率が上昇している」ことについて懸念を示し、「このように、つらいコロナの現実が迫ってきています」と述べた。
同議員は、国民に「予防措置を遵守してください。さもなければ、我々は代償を払うことになります」と呼びかけた。