１９９６年に代表取締役兼CEOのケビン・プランクによって創業されたスポーツ用品、フットウェア、アパレルを扱う米国の企業であるアンダーアーマーが、現在流行中のコロナウイルスCOVID-19との戦いに参戦した。同社はこれまでの経験を活用し、医療体制に従事する人々が自分自身を守れるよう支援している。

アンダーアーマーは「折り紙マスク」と呼ばれる先端的なマスクを開発した。裁縫の必要がないため、素早く大量に生産することが可能であると同時に、今まで以上に医療従事者をウイルスから守ることができる。

マスクの名前は日本のアートに由来しており、折り紙のような折り目が着用者の顔の形にフィットし、頬、鼻、顎の部分を保護することができる。

マスクは、従来のサージカルマスクの材質と似ている、特別に選定された通気性と耐除湿性に優れた材質を、マスクの形に加工して作られる。

さらにアンダーアーマーは、メリーランド大学医療システム（UMMS）で働く28000名の医療従事者や、バルティモアに拠点を置くライフブリッジ医療グループをはじめとした、様々な病院や組織で働く医療スタッフ向けに、防護面や特別な機能を備えたウエストポーチを製造している。また同ブランドは、バルティモアの地域型医療組織であるライフブリッジにマスクを提供できるよう、流通体制を拡張する予定だ。

「地元の医療提供者からマスクやガウン、補給キットが不足していると聞いた時、私たちは直ちに仕事に取りかかりました」とアンダーアーマーの先端物質製造部門の上席副社長であるランディー・ハーワードは述べた。

「物質化学者から、フットウェアやアパレルのデザイナーまで、バルティモアとポートランドの研究所から50人以上のアンダーアーマーの有志が、問題を解決するべくすみやかに集結しました」とハーワードは加えた。

アンダーアーマーは現在、バルティモア本部の先端技術研究所を、使い捨てのサージカルマスク、防護面、ウエストポーチを製造する工場として使用している。UAによれば、UAライトハウスでのマスクの製造は、世界でもっとも効率的かつ迅速な生地裁断機である、研究所のナイフカッターを使用して行われる。一度で１００枚の生地を裁断することができ、生地は裁断された後、折り目を入れられ、配布される。

アンダーアーマーは、先端的なデザインと効率的な機械の力を組み合わせることで、今後一週間で最高100,000枚のマスクを生産することができると考える。

「私たちは今回アンダーアーマーが、医療従事者、患者、そしてコロナウイルスの拡散を阻止しようと努力するすべてのメリーランド人に対して、支援を行ってくれたことに感謝いたします。私たちの個人防護具（PPE）への需要を満たすべく、彼らが製造体制を快く、そして迅速に転換してくれたことで、多くの命が救われるでしょう。アンダーアーマーは 社会的責任を果たす企業の模範であり、この重要な局面においてメリーランドが成功を収めるためには、彼らの協力が必要不可欠です」とメリーランド大学医療システムの会長兼CEOであるモハン・スンタは述べた。