ベイルート:レバノン南部で、正体不明の集団が国連平和維持軍兵士のグループを襲撃、車両を破壊して公用物を奪ったと国連当局者が5日に明らかにした。
レバノン南部の国連平和維持軍に対するこの種の事件は、2006年のイスラエルとレバノンのシーア派組織ヒズボラとの戦争後に平和維持軍が増強されて以来、珍しいものではなくなっている。
レバノンの国連軍(国連レバノン暫定駐留軍(UNIFIL))は、レバノン当局に対し「迅速かつ徹底的に調査し、これらの犯罪の責任者全員を訴追する」よう要請したと、UNIFILのキャンディス・アーデル報道官は述べた。同報道官によると、今回の襲撃は4日の夜に発生したとのことだ。
レバノンの地元メディアは、南部の町ビントジュベイルの住民が、住宅を撮影していたというアイルランド人平和維持軍兵士たちともみ合いになったと報じている。事件当時、国連軍にはレバノン軍が同行していなかったとのことだ。
ビントジュベイルはヒズボラの拠点で、2006年のイスラエルとの戦争ではその大部分を破壊された。
アーデル報道官は、流布されている平和維持軍が写真を撮っていたという情報は誤っており、兵士たちは何も撮影しておらず、私有地に侵入もしていない、と述べ、もみ合いに巻き込まれた兵士たちは、定期的なパトロールのためレバノン軍兵士と合流するところだったとしている。
「UNIFILは、平和のために働いているあらゆる人々への攻撃を糾弾します。レバノンの法律と国際法の両方に違反する行為でもあるからです」 とアーデル報道官は訴え、地元住民を自らの目的を果たすために操っている者たちもUNIFILは非難する、と付け加えた。
UNIFILは元来、1978年のイスラエル軍による侵攻の後、その撤退を監督するために創設された。2006年にイスラエルとヒズボラの間で起きた1カ月に及ぶ戦争の後、国連の仲介による休戦協定に基づいてUNIFILのレバノンでの任務は拡大された。
レバノン外務省も、昨年末にやはりレバノン南部で発生した平和維持軍に対する同様の事件については既に非難している。
AP