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国連によるイドリブ県への支援継続の決定により、シリア紛争の悲惨さが浮き彫りに

2021年11月20日、シリアの反体制派勢力が支配するイドリブ県にあるシリア人避難民のためのハランブッシュ・キャンプで、世界子供の日を祝う屋外イベントに参加する子供たち。(オマー・ハジ・カドウアー/AFP)
2021年11月20日、シリアの反体制派勢力が支配するイドリブ県にあるシリア人避難民のためのハランブッシュ・キャンプで、世界子供の日を祝う屋外イベントに参加する子供たち。(オマー・ハジ・カドウアー/AFP)
2021年11月20日、シリアの反体制派勢力が支配するイドリブ県にあるシリア人避難民のためのハランブッシュ・キャンプで、世界子供の日を祝う屋外イベントに参加する子供たち。(オマー・ハジ・カドウアー/AFP)
2021年11月20日、シリアの反体制派勢力が支配するイドリブ県にあるシリア人避難民のためのハランブッシュ・キャンプで、世界子供の日を祝う屋外イベントに参加する子供たち。(オマー・ハジ・カドウアー/AFP)
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13 Jan 2022 08:01:55 GMT9
13 Jan 2022 08:01:55 GMT9
  • アサド政権とその支援者である外国軍による攻撃がここ数カ月で激化していると、反体制派組織ホワイト・ヘルメットが語る
  • 支援組織によると、シリア北西部の子どもたちは絶え間ない爆撃により心に傷を負い、学校に通えなくなっているという

ウバイ・シャーバンダル

ワシントンD.C.:シリアの反体制派が支配するイドリブ県の民間インフラを標的とした空爆は、ここ数カ月であまりにも頻繁に行われるようになり、欧米の多くのメディアではもはやニュースとして扱われなくなっていると、人権キャンペーン担当者は指摘する。

ホワイト・ヘルメットとして知られる反体制派の救助団体、シリア民間防衛隊によると、アサド政権とその支援者である外国軍による攻撃が激化し、多くの子どもたちが負傷または死亡している。

ホワイト・ヘルメットが11月中旬に公開した写真には、かつて自宅だった場所の瓦礫の中から少女の遺体を持ち上げる救急隊員の姿が写っている。このような画像は、かつてはトップニュースとして取り上げられた。今では誰もニュースにする様子はない。

イドリブで爆発した爆弾によって破壊された建物の瓦礫を捜索するシリアのホワイト・ヘルメットのボランティア。(AFP/ファイル・写真)

今年6月以降、ホワイト・ヘルメットは、反体制派が支配するシリア北西部への空爆や砲撃で、63人の子どもたちが死亡したことを記録している。同組織は、この問題に焦点を当てるため、ソーシャルメディア上で「 #ChildrenUnderAttack 」というハッシュタグキャンペーンを展開している。

シリア北西部は、月曜日のように国連が越境支援を認める措置を6カ月間延長するたびに、メディアの注目を集めている。アサド政権の支配下にないイドリブ県には、約300万人が暮らしている。

アサド政権が承認せず、安全保障理事会が投票しなかったにもかかわらず、シリアとトルコの国境にある、バブ・アルハワ国境通行所を人道的物資が継続して通過することに青信号が灯った。

多くのアナリストは、アサド政権がシリア内戦に「勝利」したのだから、国際社会は新しい現状を受け入れるべきだと主張している。しかし、反体制派の支配地域の教師たちは、世界が政権の犯罪を見て見ぬふりをするのは間違っていると述べている。

イドリブ県の学校関係者は、英国を拠点とする支援団体「ザ・シリア・キャンペーン」の協力を得て公開書簡を発表し、ほぼ毎日爆撃を受けている地域の子どもたちを忘れないでほしいと世界の指導者たちに訴えた。

「私たちは、自宅や教室、通学路などで意図的に命を狙われているシリア北西部の生徒たちの教師です」と書簡には書かれている。「また攻撃されるのではないか、トラウマになるような一日になるのではないかという不安を抱えながら仕事に行っていますが、それが生徒たちの一生に影響することはわかっています」

「私たちのこの手紙は、これ以上ないほどの緊急性を持っています。10月20日未明、シリア政府軍がイドリブ県南部のアリハの町を砲撃により攻撃した際、4人の生徒と私たちの同僚であるアラビア語教師カマル・ハフェズ氏が登校中に悲劇的な死を遂げました」

2021年10月9日、シリア北西部イドリブ県の郊外にある村で登校初日を迎えた子どもたち。(オマー・ハジ・カドウアー/AFP)

「イドリブに暮らす100万人の子どもたちは、次は自分かもしれない、いつ親友を失うかわからないと怯えています。どこの国の教師もそうですが、私たちも自分たちが教えている子どもたちに深く関わっており、子どもたちを守るためにできる限りのことをしています。しかしそれだけでは十分ではありません。世界のリーダーの皆様には、この攻撃を止めさせ、子どもたちが安全に教育を受けられるようにしてもらう必要があります」

10年以上前、反政府デモが激しい弾圧を受け、内戦が始まったシリア紛争では、子どもたちが犠牲になっている。

英国拠点の監視機関、「人権のためのシリア・ネットワーク(SNHR)」によると、2011年3月以降、シリアでは少なくとも29,661人の子どもが殺害されており、そのうち22,930人が政権側の攻撃によるものである。

「世界子どもの日」に合わせて11月20日に発表された同機関の最新の報告書によると、2011年3月以降、シリア全土で少なくとも1,197の学校と29の幼稚園が完全または部分的に破壊されたとしている。

ユニセフによると、シリアでは推定250万人の子どもたちが学校に通っておらず、さらに160万人の子どもたちが中途退学の危機に瀕している。また、シリアの子どもたちの10人に9人が貧困状態にあり、わずか7歳の子どもも含め、5,700人以上の子どもたちが戦闘に参加していると推定している。

ユニセフによると、昨年は512人の子どもたちが攻撃で死亡し、そのほとんどがシリア北西部で発生した。反政府勢力が支配する地域には、約170万人の弱い立場の子どもたちが居住しており、そのほとんどが、相次ぐ政権の攻勢によって何度も避難を強いられている。現在、シリア全体では少なくとも250万人の子どもたちが避難生活を送っている。

この地域の避難民キャンプで暮らす子どもたちの精神的な健康に戦争が与えた影響は、救援組織の人々によって記録されている。人道支援者は、この影響を「今の世代、そして未来の世代のシリアを脅かす心理的災害」と呼んでいる。

アラブニュースの取材に対し、子どもの保護を目的とするNGO「フッラース・ネットワーク」のシリア・権利推進ディレクターであるライラ・ハッソー氏は次のように述べている。「彼らの目的は、イドリブ県に住む50万人の子どもたちを恐怖に陥れ、ここにいる子どもたちには未来がないという明確なメッセージを家族に送ることです。民間人の家や学校、病院が狙われているのはそのためです」

ドイツのコブレンツで行われた、人道に対する罪で告発された2人の元シリア政府高官の裁判で、抗議のために展示されたシリア政権の犠牲者たちの写真。(AFPファイル)

「これはまさに『テロリズム』と呼ばれる行為であり、止めなければなりません。国際社会は、この恐怖に対し、見て見ぬふりをし続けることはできないのです」

しかし、世界中のニュース消費者は、この地域から絶え間なく発信される荒廃した映像に飽き飽きしているという話がある。その結果、シリアとその国民に対する世界の関心は、ここ数年で著しく低下している。

アナリストによると、この無関心と国連安全保障理事会の無策が、シリア政権による爆撃継続を助長しているとのことである。「ザ・シリア・キャンペーン」は、シリアの危機に人間の顔を与えることで、イドリブ県の子どもたちの窮状に国際的な関心を呼び起こしたいと考えている。

同組織のコミュニケーション・ディレクターであるサラ・ハシャシュ氏は、アラブニュースの取材に対し、「シリア軍とロシア軍が、シリア北西部の子どもを含む民間人に対して、説明責任を果たさずに爆撃を続けていることを世界の指導者たちに伝えるために、教師たちが協力してこの書簡を書きました」と述べている。

シリア北西部の子どもたちは、絶え間ない爆撃と避難のために学校に行くことができない。(AFP写真)

「シリア北西部の子どもたちは、絶え間ない爆撃と避難のために心に傷を負い、学校に行くことができません。この4カ月間、ほぼ1日おきに子どもが殺されています」

「11月15日には、アレッポ郊外のカフラ・ノランで、シリア政権の砲撃により2人の子どもが亡くなりました。このような攻撃の多くが、もはやメディアで広く報道されないことに苛立ちを覚えています」

メディアがこの問題を黙殺し続けた結果、政治的な無策を引き起こしている。すでにアサド政権は地域的には歓迎されている状態だ。欧米やアラブの穏健派勢力がアサド政権の存続を認めるのは、おそらく時間の問題だと多くの人が感じている。

11月11日、米国務省のネッド・プライス報道官は、記者団に向けて次のように述べた。「当(バイデン)政権は、残忍な独裁者であるアサド氏を工程したり、復帰させたりする努力を支持することはない」

2018年2月7日、ダマスカス郊外の東グータ地域にある反体制派の町アルビンへの空爆で爆弾を投下するシリア空軍戦闘機MiG-23。(AFP)

彼は次のように述べている。「我々の立場には何の変化もない。バシャール・アサド氏もまたイメージを回復させるようなことも、彼や彼の政権がそのやり方を変えようとしていることを示唆するようなことも言っていない」

シリア人コメンテーターであるイブラヒム・ハミディ氏は、ロンドンを拠点とするアラビア語日刊紙アッシャルク・アルアウサト紙の同氏のコラムでこう語る。「現状では、対立解消の余地は2つの選択肢に限られている。ひとつは、アサド氏を巻き込んでダマスカスの孤立を解消し、イランの影響力を弱めること。アラブ諸国の中には、ダマスカスにシリアや地域におけるイランの抑制を要求して、正常化を進めている国も確かに存在する」

「第2の選択肢は、ロシアのプーチン大統領のリーダーシップと、彼のイラン牽制能力に期待することである。このオプションは、彼らの立場に由来する。戦争によってプーチン氏とイランの最高指導者であるアリ・ハメネイ師がシリアに集結したが、平和と正常化が成されれば、彼らが手を組む理由はない」と述べている。

良くも悪くも、サラ・ハシャシュ氏によれば、正常化の取り組みはまだ地域の指導者次第だという。「国際的なレベルでは、アサドは依然として大きく孤立しており、ロシアとイランの後ろ盾に依存し、アメリカとEUからは重い制裁を受けています」と彼女はアラブニュースに語る。

「アサドの犯罪から目を背ける準備ができているようにさえ思える地域の指導者たちは、正義と説明責任なしには、シリアに真の平和はあり得ないことを思い起こさなければなりません」

ホワイト・ヘルメットによると、政権とロシアがレーザー誘導砲弾「クラスノポール」を使い始めてから、民間人の犠牲者の数が劇的に増加しているとのことである。同組織によると、このような攻撃を受けた場合、同じ家族の数名が犠牲になることが多いという。

ホワイト・ヘルメットは、政権の砲兵隊とロシアの戦闘機が意図的に学校を標的にし、子供たちから教育を奪っていると主張している。

アサド政権による無差別な砲撃や爆撃で、家族全員が犠牲になるケースも少なくない。(AFP/ファイル・写真)

国連の「シリア・アラブ共和国に関する独立国際調査委員会」の報告では、住宅地や市場、医療施設などが意図的に狙われ、しばしば無差別に攻撃されているという彼らの主張の多くが裏付けられている。

ロシア軍がイドリブ県の空域を制圧し、隣接するラタキア県に空軍基地を保有していることから、現地の医療・援助関係者は明確に非難の矛先を向けている。

ロシア政府は、空爆の責任や、ロシア軍が民間人を無差別に攻撃しているという非難を、一貫して強く否定している。

このように証言が錯綜する中、ハシャシュ氏は国際メディアに向けてメッセージを発している。紛争地域であるシリアを報道する際には、シリア人の声を増幅し、彼らの現状が強調されるようにしなければならないと。

「彼らのストーリーが語られれば、世界は耳を傾けるでしょう」と彼女は語った。

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・ツイッター: @OS26

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