ハルツーム:日曜日、スーダンの医師たちが、昨年の軍事クーデター後の民主化運動のデモで、治安部隊が医療関係者を標的にして暴力的な攻撃を行ったとして抗議した。
ハルツームで行われたデモに参加した医師の1人、フーダ・アマド氏は「どの抗議行動の際も部隊は私の勤務先の病院内で催涙ガスを発射した」と述べた。
「集中治療室にいるときでも攻撃された」とデモの中で医師は訴えた。殺害されたという同僚たちの写真を携えていた。
このデモは、危機的状況にあるアフリカ北東の国で起きた直近の抗議行動である。この地域では北部の抗議者たちも道路を封鎖し、先週発表された電気料金の値上げに対する怒りをぶつけていた。以降、値上げは凍結されている。
軍事指導者アブドゥルファッターフ・ブルハン将軍が率いたスーダンの10月25日のクーデターで、民政移管ははかなく頓挫した。文民統治は、若者主導の抗議行動に続き、有力者オマル・アル・バシール氏が2019年に追放されたのを機に始まっていた。
軍の政権掌握は国際的な反発を招き、新たなデモの波を引き起こした。月曜日にもデモが予定されている。
数カ月の混乱の間に、アブダッラー・ハムドゥーク首相が軟禁下に置かれ、後に復帰したが、間もなく辞任した。このことは、スーダンが「存続」を左右される危険な岐路にあることを示している。
民主化派の医療関係者によると、激しい取り締まりによって64人の抗議者が死亡した。世界最貧国に数えられるスーダンの市中で起きた暴力では警察官1人も死亡している。
先週、国連世界保健機関は、11月以降、スーダンの医療施設への攻撃が11件確認されたと述べた。
WHOは「さらに、安全確保のために動いていた救急車、医療関係者、および患者が妨害を受けたことを確認している」と述べた。
そして、コロナの大流行でこれまで以上に必要とされている医療サービスを脅かしていると指摘して、攻撃を「即座に中止する」ことを呼びかけた。
国民の94%がワクチン未接種のスーダンでは、Covid-19は「深刻な脅威」であるとWHOは述べた。
スーダンでは93,973人がコロナウイルスに感染し、およそ4,000人が死亡している。9月には、検査を受けた約1,000人の医療従事者のうち64%がコロナ陽性だったことが判明したという。
スーダンに住む4,500万人にとっては深刻な経済危機と400%に迫るインフレも課題だ。
日曜日、数百人が、首都から350キロメートル(229マイル)伸びる北部州の基幹道路を封鎖した。電気料金が2倍になるという最近の報道への怒りが引き金になった。その後、値上げは凍結されたが、まだ正式な廃案にはなっていない。
抗議者のハッサン・イドリス氏はAFPの電話取材で「当局が値上げを無効にするまで車は絶対に通さない。値上げは私たちの農業への死刑宣告に等しいからだ」と語った。
バシール氏の追放につながった2019年のデモは、政府がパンの価格を3倍にすると決めたことがきっかけだった。
直近の抗議行動では、スーダンは何度もインターネットを遮断するなど、騒乱に関する報道を規制する動きも見せている。
最近は、カタールを拠点とするネットワークのテレビ中継部門であるアルジャジーラ・ムバシャーのライセンスを取り消したりもしている。アルジャジーラ・ムバシャーによると、抗議行動に関して「職業倫理に反する」報道を行ったためだと言われたという。
国連は現在、危機の解決に向けて政治、軍事、社会の各主体が関わる協議の開催を目指している。
先週、国連の特別代表フォルカー・ペルテス氏は「暴力を終わらせ、包括的な協議プロセスに入る時だ」と述べて協議を提案した。
日曜日、代表的な民主化市民団体である「自由と変革のための権力」の主流派は、民政移管を復活させるのであれば、対話の申し出を受け入れると述べた。
2019年4月、スーダンの軍がバシール氏の30年の支配を終わらせ、それに伴って独裁者バシール氏と多くの政権幹部は逮捕、投獄された。
またバシール氏は国際刑事裁判所(ICC)から、虐殺、戦争犯罪、ダルフールでの人道に対する罪の責任を追及されている。
バシール氏のもとで投獄された元外相のイブラヒーム・ガンドゥール氏は、数人の元政権幹部とともにハンガーストライキを始めた。日曜日にガンドゥール氏の家族が伝えた。
家族は声明の中で「彼らが解放される、あるいは彼らに公平な裁決が行われるまで」ストライキは続くと述べている。
先日、検察庁が数人の元幹部の釈放を命じたが、代わってブルハン将軍が彼らの拘留を命じた。
ガンドゥール氏の家族は「司法への干渉」だとして非難した。
しかし、抗議者たちは、バシール氏の地上部隊の司令官であったブルハン将軍が、旧政権の人物が権力を取り戻せるよう助けたとして非難している。
AFP