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レバノン、首相がクウェートのイニシアチブへの返答を練る中、麻薬押収実績を強調

大量のカプタゴンの押収について記者会見を行うレバノンのバサム・マワラヴィ内務大臣。2022年1月25日、首都ベイルートにて。(AFP)
大量のカプタゴンの押収について記者会見を行うレバノンのバサム・マワラヴィ内務大臣。2022年1月25日、首都ベイルートにて。(AFP)
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29 Jan 2022 06:01:37 GMT9
29 Jan 2022 06:01:37 GMT9
  • ヒズボラの武器に関する懸念が高まる中、湾岸諸国のレバノンへの信頼を再構築するため、イニシアチブは厳しい条件を提示している

ナジャ・フーサリ

ベイルート: バサム・マワラヴィ内務大臣は、レバノンは「すべての密輸活動を阻止し、アラブの兄弟への被害を防ぐために、努力は決して惜しまない」と誓った。

また、木曜の夜、司法警察麻薬対策部が税関の麻薬取締部との協力により、スーダンに向かう予定だった粉末ジュースの箱に隠された麻薬12トンを押収したことを発表した。

その2日前、マワラヴィ内務大臣は、当局がアフリカの一国を通過して湾岸諸国に船便で送られた茶葉の中に隠された大量のカプタゴンを押収したことを明らかにした。

これらの押収は、レバノンが湾岸諸国への麻薬の密輸を真剣に問題視していることを示すとともに、不法貿易に対抗するための同国の警備、情報対策の有効性を強調している。

レバノンと湾岸諸国の間の緊張関係を修復する努力の一環として、クウェートのアフマド・ナーセル・アル・ムハンマド・アル・サバーハ外務大臣は、先週のレバノンでの会談で新たなイニシアチブを発表した。このイニシアチブには「レバノンとの信頼関係再構築のためのアラブ、湾岸諸国と国際社会からの条件を示す」10項目が含まれていると、同外務大臣は訪問中に語った。

レバノンのアブドラ・ベンハビブ外務大臣は、土曜日にクウェートのイニシアチブに対する公式な返答をする予定だ。

ナジブ・ミカティ首相は、現在、返答の細かい部分を整えようとしていると側近の関係者は語った。そこには、シェバア農場とカフルシュバがいまだにイスラエルの占領されたままであることを理由に、ヒズボラの武器問題についての対話を呼びかけることも含まれる。

また、同関係者によれば、ミカティ首相は、レバノンは内戦を終結させたターイフ合意と国際決議を堅持し、地域諸国と世界各国との最良の関係を保っていくための努力を引き続き怠らない意志を改めて表明しているという。

クウェートによるイニシアチブはレバノン当局で子細に渡って協議され、返答には何度も修正が加えられたとされている。

 

リークされた情報によれば、イニシアチブには「レバノンのすべての武装民兵組織の解体と武装解除を要求する安保理決議1559など、いくつかは実現不可能な厳しい条件」が含まれているという。

また、レバノンに対して、政治、経済、財政改革への堅持と国家機関の再建、中立性を取り入れること、アラブ・湾岸諸国の主権の尊重とこれらの国々に対する政治、メディア、軍事に関わる干渉の停止、アラブ連盟の決定の尊重、国際決議の遵守を求めているとされる。

その他の条件とには、すべての民兵組織の武装解除、レバノン全土への政府の支配権の拡大、レバノン国境通過の管理と麻薬密輸防止のための厳しい対策(湾岸諸国が麻薬密輸活動の標的になることを防ぐための明確かつ断固とした安全政策の採用など)、ヒズボラによるイエメン戦争への干渉を防ぐ対策、湾岸諸国の国内問題に影響を与えるような会議や集会を阻止する断固たる措置を取ること、などが含まれる。

自由愛国運動(FPM)のリーダー、ゲブラン・バシール氏は、クウェートのイニシアチブにある条件には実現に時間が必要なものや、レバノン国内で議論を呼び起こしそうなものが含まれていると話す。

「武器の問題を議論することは危険だ」と、バシール氏はロシア・トゥデイに語った。バシール氏は議会ではミシェル・アウン大統領派に属している。

「イスラエルの侵略とパレスチナの侵攻がレバノン領土内で起こっている。外からのレバノンに対する圧力は、ヒズボラの武器を支持する者と支持しない者の対立となり、内部崩壊を招く」

ナビーフ・ビッリー議会議長は、ヒズボラの武器問題についての自分の見解は変わっていないと語る。

「レバノンの領土の一部はいまだにイスラエルに占領されている。それだけで武器を保持する理由になるし、ヒズボラとレバノンは占領に抵抗する権利がある」

ヒズボラはクウェートのイニシアチブに対して直接の反応はしていないが、ハッサン・ナスラッラー書記長が月曜日に演説を行うと発表した。同書記長がイニシアチブを支持するのか、湾岸諸国への批判的な態度を新たに表明するのかは不明だ。

レバノンのアル・マルカジア通信は、ヒズボラに近い関係者の言葉を引用し、「ナスラッラー書記長は、レバノンの領土が1インチでも占領され続ける限りヒズボラは抵抗をし続ける理由と動機を主に語るだろう」と、報じた。

ヒズボラとアマル運動に属するシーア派の聖職者、アフメド・カバラン師は金曜日の説教で「湾岸協力会議の兄弟たち」に呼びかけ、「敵はイスラエルであり、アラブ人ではない。危険はテル・アビブにあり、ベイルート南部の郊外にはない」と語った。

「解決は(国連安保理決議)から始まるのではない。抵抗のための武器はアラブを守るための保証であり、攻撃するためではない」

「今日、抵抗組織の武器はレバノンの安全の保証であり、内戦や派閥間の争い、イスラエルやタクフィリの侵攻を防ぐためにこの国が最大に必要としているものなのだ」 

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