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アル・アズハル、視覚障害者を支援するため点字版コーランのテストを開始

点字(ブライユ)は目の不自由な人々や視覚に障害を持つ人たちが読み書きに使用する手段である。(提供写真)
点字(ブライユ)は目の不自由な人々や視覚に障害を持つ人たちが読み書きに使用する手段である。(提供写真)
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09 Feb 2022 10:02:40 GMT9
09 Feb 2022 10:02:40 GMT9
  • アル・アズハルが展示会に出展した実験版は大きなサイズと特厚のダンボールが特徴で、点が明瞭で突き出しており、指先で読み取りやすくなっている

モハメッド・アル・シャマア

カイロ:先日の第53回カイロ国際ブックフェアで、視覚障害者用に点字で書かれたコーランの実験的な写本がアル・アズハルのアル・シャリフのスタンドに展示された。同ブックフェアは2月7日の月曜日に終了した。

アル・アズハルのアル・シェリフのシェイクであるグランド・イマームのアフメド・アル・タイブ博士の指導と後援の下、アル・アズハル通信社が最新の印刷システムを用いてコーランを点字で印刷するプロジェクトに取り組んだ。

アル・アズハルは声明で、このテスト版のコーランにはコーランに書かれた言葉と突き出した点字の文字が併記されており、コーランの暗記や読書の際に目の見える人と視覚障害者の社会的な協力を実現すると述べた。

声明によると、アル・アズハルが今回の一歩を踏み出したのは、視覚などに障害を持つ人々を大事にすることへの信念に基づくものであり、コーランとその科学を普及させるというアル・アズハルの使命の延長であるという。

アル・アズハルが展示会に出展した実験版は大きなサイズと特厚のダンボールが特徴で、点が明瞭で突き出しており、指先で読み取りやすくなっている。

点字(ブライユ)は目が不自由な人々や視覚に障害がある人たちが使用する読み書きの手段である。ブライユは3歳で失明したフランスの発明家ルイ・ブライユ氏の名にちなんでいる。ルイ氏は、突き出した形状に印刷された文字を使う従来の方法よりも、点字システムで読み書きをする方が簡単で早いということを発見した。

アル・アズハル通信社のプロダクション・マネージャーのホサム・エルディン・ムーニール氏はアラブニュースに、コーランを点字で構築するというアイディアは目の不自由な人々を支援したいという願いに由来するのだと語った。「最初に人々の意見を聞くためにテスト版をデザインしました。その上で、最終版の作成に取りかかります」と、同氏は述べた。

全国障害者評議会(NCPD)の総括顧問を務めるエマン・カリム博士はアラブニュースへの声明で、視覚に障害を持つ人々のためにコーランを点字で読めるようにしてくれたことについてアル・アズハルへの謝意を表明した。2015年の国勢調査によると、視覚に障害を持つ人々はエジプト社会の5%を占めるという。

同氏は、アル・アズハルがこのプロジェクトを採択したことは歴史ある機関による本格的な一歩であり、このような人々のエジプト社会における積極的な役割を信じるものであり、社会の全ての成員にコーランとその科学を普及させるという使命の延長であると語った。

カリム博士は国の教育当局に対し、アル・アズハルのアル・シャリフの事例に続いて、文化的な出版物を障害を持つ人々も利用できるようにし、意識の向上に寄与するよう求めた。特に宗教教育のプロセスが対象で、国家の治安や安定を不安定化させようとする原理主義者の思想と戦うことを求めている。

ウズベキスタン出身のアル・アズハルの学生で視覚に障害を持つアクラム・アベド・ヤノフ氏は、カイロ国際ブックフェアのアル・アズハルのパビリオンを訪問した際、目の不自由な学生に支援を提供するという考え方に称賛の念を抱いたと語った。

「私は点字でアル・アズハルのコーランを読みました。とても気に入りました。しかし、そのコーランには終止符が全く書かれていないことが気になりました。そこが視覚障害者には難しいものになるかもしれません」と、ヤノフ氏は語った。またヤノフ氏は、このコーランにはページ番号も付いていないことに気付き、写本の印刷担当者が今後この点を修正することを希望した。

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