


ジェッダ:イランは水曜日、射程距離1,450キロメートルの新型弾道ミサイルを開発したと発表した。射程内にはイスラエルや湾岸諸国の首都、中東の米軍基地が含まれる。
地元メディアは新型地対地ミサイル「カイバル・シェカン」を紹介した。名前は、7世紀に預言者ムハンマドが現在のサウジアラビアのヒジャーズ地方にあるカイバル・オアシスにおいて軍事的勝利を収めたことにちなんで名付けられた。
「この長距離ミサイルは、イスラム革命防衛隊(IRGC)により国内で開発されました。高い精度を持ち、固体燃料を使い、ミサイル防衛網を突破することが可能です」と軍の報道官は述べている。
イラン軍最高責任者であるモハマド・バゲリ司令官は、同国の兵器開発プログラムはペースを上げて進めていくと述べた。
「我々は、質と量の両面で、ミサイル戦力の成長、発展、卓越の道を歩み続けるでしょう」
イランは、中東で最大のミサイル兵器保有国である。昨年末、イランは軍事演習の締めくくりとして16発の弾道ミサイルを発射した。軍幹部はこれについて、イスラエルへの警告であるとしている。
バゲリ司令官は、イランは「軍備に関しては自給自足」しており、米国の制裁が解除されれば、同国は世界最大の武器輸出国のひとつになる可能性があると述べた。
国際戦略研究所(IISS)によると、イランは約20種類の弾道ミサイルのほか、巡航ミサイルや無人機も保有しているという。その性能はさまざまで、「Qiam-1」の射程距離は800キロ、「Ghadr-1」は1,800キロに達する。
ロンドンに拠点を置くシンクタンクであるIISSは、イランの現在の優先課題はミサイルの精度を上げることだとしている。
現在行われているイランの核開発に関する協議では、テヘランの弾道ミサイル開発は議題に上っていない。しかし湾岸地域における米国の同盟国の多くは、弾道ミサイル開発も議題にすべきだと考えている。イランが核兵器の開発に成功した場合、弾道ミサイルに核弾頭を搭載することが可能になる。
イスラエルは以前から、ウィーンでの核交渉がイランの核開発を抑制できなかった場合、同国に対して軍事行動を起こすと警告している。
この交渉は、制裁の解除と引き換えにイランの核開発を制限するという、2015年に締結された核合意を復活させることを目的としている。
ドナルド・トランプ氏に代わってジョー・バイデン氏が大統領に就任した後、テヘランとワシントンの間で核合意再建に向けた間接的な協議が開始された。しかし4月から8回にわたって行われた協議にもかかわらず、イランと列強諸国との間には相違点が残っている。
テヘランとワシントンは、進展が見られない原因について、お互いに非難している。
イランの安全保障担当最高責任者であるアリ・シャムカーニ氏は水曜日、「米国政府の声を聞くと、ウィーン会議を進展させるような政治的決定を行うための足並みが揃っていないことがわかる」と述べた。
ロイター