
国連、米国:国連は火曜日、戦争で荒廃したイエメンの沖合に放置された、錆びついた石油タンカーから有毒な積荷を別の船に移す「原則的合意」に達したと発表した。
専門家は、イエメン西部のホデイダ港沖に2015年から停泊している、竣工後45年が経過したFSOセイファーがもたらす大規模な環境災害の危険性を警告している。
独自の調査によると、原油の流出は紅海の生態系を破壊し、重要な港が閉鎖となり、また何百万人もの人々を高濃度の汚染にさらす可能性がある。
国連のマーティン・グリフィス人道問題担当事務次長は、「セイファー号の問題を解決するための取り組みに最近進展があり、その中で石油を別の船に移すという国連の調整案に原則的合意があったことを報告できることをうれしく思う」と述べた。
グリフィス氏は、実施についての詳細や、移送がいつ行われるかは明らかにしていない。
10日前、国連は、イエメン政府当局とフーシ派反政府勢力の間で前向きな話し合いが行われ、双方が壊滅的な流出を回避するための緊急解決策を見出すことに意欲を示していることを明らかにした。
環境保護団体グリーンピースによると、原油が流出するとイエメンの主要港であるホデイダ港とサリフ港が利用できなくなり、最大840万人への食糧援助物資の供給に影響が及ぶという。
紅海の商業海上交通に加え、ジブチ、エリトリア、サウジアラビアなどの沿岸諸国も影響を受ける可能性がある。
劣化した船の調査は、ホデイダ港やサリフ港を含む北部の大部分を支配するフーシ派反政府勢力と折り合いがつかず国連による立ち入りの要求が何度も延期になっているため、長きにわたり難航している。
イエメンの内戦により、何百万人もの国民は壊滅的な状況となっており、国連は世界最悪の人道危機と呼んでいる。
国連によると、戦闘と飲料水の不足、飢餓、病気の両方により、この内戦でこれまでに約37万7千人の命が奪われているとのことである。
AFP