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国連:イエメン沖の老朽化した石油タンカー救出のための保険適用を確保

100万バレルを超える原油の回収作戦が行われる中、包囲された石油タンカー「FSOセイファー」。イエメン西部ホデイダ県の反政府勢力支配下のラス・イッサ港の沖合の紅海上。(AFP)
100万バレルを超える原油の回収作戦が行われる中、包囲された石油タンカー「FSOセイファー」。イエメン西部ホデイダ県の反政府勢力支配下のラス・イッサ港の沖合の紅海上。(AFP)
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13 Jun 2023 11:06:05 GMT9
13 Jun 2023 11:06:05 GMT9
  • UNDPは、この保険はFSOセイファーに積載された原油を回収するための何年もの努力における「重要なマイルストーン」だと述べた

カイロ:国連は、内戦で荒廃したイエメンの沖合に係留されている老朽化したタンカーから110万バレルの原油を別のタンカーに移す作業を開始するための保険適用を確保したと発表した。この原油は大規模な環境災害を引き起こす恐れがある。

国連開発計画(UNDP)は、この保険はFSOセイファーに積載された原油を回収するための何年もの努力における「重要なマイルストーン」だと述べた。このタンカーは破裂や爆発の恐れがある。

UNDPは、「世界史上最大級の人為災害」になりかねない事態を回避するための救出作戦を開始しようと努め、そのための数千万ドルの拠出の確約を取り付けた。作戦は5月下旬に始まっており、専門家らがタンカーの油室から大気酸素を除去するために不活性ガスを注入している。

UNDPのアヒム・シュタイナー総裁は次のように述べた。「この救出作戦を進めることを可能にするうえで、保険が重要な要因であった。それがなければ、このミッションは前に進めなかっただろう」

デヴィッド・グレスリー国連イエメン常駐人道調整官によると、積載原油の移し替え作業は今月中に始まる予定となっている。その作業の完了後、セイファーは最終的に曳航されスクラップにされるという。

同調整官は12日にハーグで開かれた「イエメン国際フォーラム」で、「作業は順調に進んでいる」と述べた。

このタンカーは1980年に日本で建造され、1980年代にイエメン政府が購入した。同国東部マアリブ県の油田から汲み上げられた最大300万バレルの原油を貯蔵するためだった。

アラブ世界の最貧国であるイエメンでは、2014年にイランが支援する民兵組織フーシ派が首都サヌアおよび同国北部の大部分を占領し、政府が南に逃れることを余儀なくされて以来、内戦が続いている。

翌年、サウジアラビアが主導する連合軍が、フーシ派と戦って国際承認政府の復権を図るために参戦した。

セイファーは全長360メートル(1181フィート)で、34個の貯蔵タンクを備えている。2015年以来整備されておらず、近年になって海水がエンジン室に浸入しパイプが損傷を受けており、沈没のリスクが高まっている。

タンカーの一部は錆で覆われており、タンクに可燃性ガスが集まるのを防ぐための不活性ガスが漏れている。

AP

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