アラブニュース
ロンドン:英紙「タイムズ」が土曜日に報じたところによると、イランで拘束されている英国人女性ナザニン・ザガリ・ラトクリフ氏が、他の囚人とともに近く解放される可能性があるという。背景には、合意に近づく主要国との核協定がある。
政府関係者は、ウィーンでの数カ月にわたる協議を経て、核合意に関する協定案が作成されたことを示唆している。米国は2018年、2015年の「包括的共同行動計画(JCPOA)」から離脱していた。
イランは、米国の離脱後に課された制裁によって経済が壊滅的な打撃を受けた。核活動は活発化している。
新協定では、制裁解除の条件として、テヘランは核開発プログラムをJCPOAの条件で合意されたレベルまで削減し、ウラン濃縮能力を縮小する。
2021年6月に強硬派のイブラヒム・ライシ師がイラン大統領に選出されたことで、この新たな協議が決裂するのではないかという懸念があった。しかし、今後数カ月のうちに協定が成立するかもしれないという新たな確信が生まれている。
ロバート・マリー米国イラン特使は、モラド・タバズ氏をはじめとする米国人がテヘランで投獄されたままの状態で、ワシントンとの間で核合意が成立することは「想像しがたい」と述べていた。
今回の核取引では、米国の制裁を解除する見返りとして、これらの米国人が解放される可能性がある。協定が成立すれば、他の欧米人も解放されるのではないかとの期待がある。
テヘランの悪名高いエヴィーン刑務所に収監されている欧米人囚人たちの、近い開放の可能性について、イラン系英国人アヌーシェ・アシュオリ氏の娘はタイムズに次のように語った。「慎重に、希望を持っています」
「誰もが、このような重要な段階に至っても、結局は何も起こらなかったことを経験しています。私たちと同様に、彼らもただ事態の推移を見守っています」
ザガリ・ラトクリフ氏の夫であるリチャード・ラトクリフ氏は次のように述べている。「ナザニンは、クリスマスの頃にはなかった希望を持っています。何が起こるかは誰にもわかりません。しかし、今は『良いニュースが出るか、出ないかのどちらかだ』と感じています。以前は『悪いニュースが出るか、出ないかのどちらかだ』と思っていました」
しかし、今回の合意条件の下では、イランは、2018年のように米国が離脱しないという保証を受けることはできない。
ある関係者はタイムズ紙にこう語っている。「今回の合意条件が最終的なものであり、テヘランで政治的決断を下す時が来たという感覚があります。米国は非常に公平なオファーを出しており、イランがこれ以上のオファーを得るとは思えません」