Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter
  • Home
  • 中東
  • 米国務長官、イスラエルでアラブ諸国との歴史的な会談

米国務長官、イスラエルでアラブ諸国との歴史的な会談

イスラエルの都市テルアビブ近郊のロッドにあるベングリオン空港でイスラエル政府関係者の歓迎を受けるアントニー・ブリンケン米国務長官。2022年3月26日。(Jacquelyn Martin / POOL / AFP)
イスラエルの都市テルアビブ近郊のロッドにあるベングリオン空港でイスラエル政府関係者の歓迎を受けるアントニー・ブリンケン米国務長官。2022年3月26日。(Jacquelyn Martin / POOL / AFP)
Short Url:
27 Mar 2022 08:03:34 GMT9
27 Mar 2022 08:03:34 GMT9
  • ブリンケン国務長官は、アラブ諸国とイスラエルの関係の転換を記念し、イスラエル、モロッコ、エジプト、バーレーン、アラブ首長国連邦の外務大臣らと会談する予定
  • 今回の訪問はまた、ロシアの侵攻開始以来のウクライナへの支援構築に焦点が置かれている部分もある

エルサレム: 米国のアントニー・ブリンケン国務長官は日曜日、米国の仲介によるアブラハム合意でユダヤ国家と関係を正常化したアラブ諸国との「歴史的な」会談をイスラエルで開始した。

土曜の夜にテルアビブに到着したブリンケン国務長官は、2020年後半からのアラブ諸国とイスラエルの関係の転換を記念し、日曜日と月曜日にネゲヴ砂漠でイスラエル、モロッコ、エジプト、バーレーン、アラブ首長国連邦の外務大臣らと会談する予定。

イスラエルのヤイール・ラピード外務大臣はこの機会を「歴史的なサミット」と表現した。

イスラエルは、今後、ヨルダン川西岸地区、アルジェリア、モロッコと続くブリンケン国務長官の旅程の最初の訪問地であり、モロッコではUAEの首長であるムハンマド・ビン・ザーイド・アブダビ皇太子と会談する予定だ。今回の訪問はある意味、ロシアの侵攻開始以来のウクライナへの支援構築に焦点が置かれている。

米国政府関係者によれば、今回の訪問には他にも二つの重要な議題があるという。締結が迫るイランとの核合意に対するユダヤ国家の懸念を払拭すること、そして、ウクライナ戦争によって起き得る世界の小麦不足について話し合うことだ。後者は輸入に頼る中東に大きな打撃を与えかねない。

「ほとんどの国が小麦の少なくとも半分を輸入しており、そのほとんどの輸入先がウクライナである中東と北アフリカでは、これが大きな痛手になっていることをひしひしと感じる」と、ヤエル・レンパート国防次官補代理は訪問に先立ち、語った。

戦争によって、「これらの地域でパンのような基本的な主食の価格が上がり続け、最も必死で働いていて最も弱い立場にある家庭がより貧しくなるだけだ」と、レンパート国防次官補代理は述べた。

今回の訪問は、米国とイランが2015年の「包括的共同行動計画」の復活交渉の最終段階にあることを受けて行われた。この計画は、イランの核兵器開発能力の阻止を目的としている。

米国のドナルド・トランプ前大統領の政権は2018年に一方的に協定を離脱し、再び、懲罰的な経済制裁に切り替えた。それ以来、イランは機密性の高い核活動の多くを再開している。

新たな協定の締結は「数日のうち」に実現する可能性がある、と、イランとの協議を調整しているEUのジョセップ・ボレル外交政策委員長は土曜日に述べた。

「ほぼ実現に近づいているが、まだいくつかの問題が残っている」と、ボレル外交政策委員長はカタールで開催中のドーハ・フォーラムの際に記者団に語った。

ちょうど、ウィーンでの交渉の議長を務めるEUの外交官、エンリケ・モラ氏がテヘランに到着するタイミングでの発言だった。

米国政府関係者は、合意の締結は1つ、2つの重要な問題にかかっているが、合意を望むのであれば、イランは「難しい選択」をしなければならないと述べている。

だが、合意締結の可能性は、イランを脅威とみなすイスラエルや湾岸地域の米国の同盟国に懸念を抱かせている。

2月、イスラエルのナフタリ・ベネット首相は、新たな核合意の見通しには「深く心を悩ませている」と語った。同国は、この核合意がイランの核兵器開発を防げる効果がないことを懸念している。

会談に先立ち、ベネット首相は湾岸地域の大国であるサウジアラビアに珍しいメッセージを送った。イランの支援を受けたイエメン反政府勢力が金曜、ジェッダのF1レース用コース近くの石油施設を含む標的に対して連続して行った攻撃に対して「悲しみ」を表明したものだ。

「この攻撃は、イランによる地域の侵略はとどまるところを知らないと改めて正目している」と、ベネット首相は土曜日の夜遅く、ツイッターで投稿した。

また、ブリンケン国務長官はイスラエル占領下のヨルダン川西岸にあるラマッラーで、パレスチナのアッバス大統領とも会談する予定だ。

パレスチナの人々は、アラブ諸国の政府にイスラエルとの関係を強化し、イランを主要な脅威として重要視する流れを米国が推し進める中、自分たちは忘れられているのではないかと不安を感じている。

トランプ政権はパレスチナへの支援を削減し、パレスチナとの関係に特化したエルサレムの米国領事館を閉鎖した。

バイデン大統領は同領事館の再開を約束したが、政権が発足して1年経った今もその動きは見られない。

領事館の問題は「確実に議題に上るだろう」とレンパート国防次官補代理は話す。

ブリンケン国務長官はイスラエルの次にモロッコとアルジェリアを訪れ、地域の安全保障と両隣の二国を分断している西サハラの紛争地について話し合う予定。

また、モロッコでは、地域の主要な政治勢力となっているUAEのムハンマド・ビン・ザーイド皇太子と会談する予定だ。

AFP

特に人気
オススメ

return to top